1976年式FLをベースに製作されたショベルリジッドを愛機とする降矢 忠史。ナロードされたハイドラフォークにミディアムエイプ、ピーナッツタンク、サイクルフェンダー&ショートシッシーバーが取り付けられたオーセンティックなチョッパーだ。このショベルとは3年ほどの付き合いだというが、21歳のときに乗りはじめた1976年式FXショベルチョッパーを皮切りに、新車で手に入れた2009年式FLTR、ストックスタイルの1981年式FXショベル、2021年式ローライダーSなど数多くのハーレーを乗り継いできた生粋のモーターヘッドである。
「このショベルは足代わりに毎日乗っています。ショートツーリングにも出かけますが、ロングは東京から実家の滋賀まで走るくらいですね。でも500キロもないので、ロングツーリングというわけでもないですが……」
ショベルリジッドで東京から滋賀県まで走れば、十分ロングツーリングだとは思うが、彼にとっては “ひとっ走り” といったところなのだろう。そんな彼の生業であるが、これがまた興味深い。名刺には “Director ” と記載されており、現在は昨年10月に渋谷2丁目にオープンした鮨屋 “渋2鮨” のオーナー兼、鮨職人として生計を立てている。ただし鮨一筋、というわけではなく、彼が愛好するファッション、音楽、アートなど、それらを含めたディレクターであり、今は鮨職人としてメインのマネタイズを行っているだけで、今後はまた違った方向へ向かう可能性もありうるという。自らを器に見立て、そのディレクションを行うという意味合いで、名刺には “Director ” と書かれているのだ。
取材当日に履いてきていただいたウエスコブーツは18インチハイトのモーターサイクルパトロールで、膝下をすべてカバーする迫力のスタイルは圧巻のひと言。さらにボスやジョブマスターなど、10足近く所有するウエスコフリークでもある彼にその魅力を伺った。
「やっぱりウエスコはカスタムが魅力で、どんどん欲しくなって気がつけば10足近くになってしまいました。今はこのモーターサイクルパトロールが一番のお気に入りで、履きはじめは膝の裏が当たって痛く、履きこなすのにかなり手こずりましたが、今は完全に自分の足型に馴染んで、吸い付くようなフィット感のブーツになりました。ブーツとしての完成度の高さも魅力ですが、ハンドメイドならではの、人の手の温もりが感じられるところもウエスコに惹きつけられる大きな要因ですね。仕事中もよくウエスコを履いてます。ウエスコ履いて鮨を握っています。それとショベルもそうなんですが、ウエスコは自分を高めてくれる存在ですね。純粋にカッコいい……」