2024年4月10日、11日の2日間に渡り大磯ロングビーチ特設会場にて開催された第9回JAIA輸入二輪車試乗会・展示会。日本国内で輸入販売されている世界各国のバイクブランドが一堂に会し、最新のモデルを試乗することができるというメディア関係者に向けた年に一度のイベントだ。
もちろん輸入車モーターサイクルブランド代表と言っても過言ではないハーレーダビッドソンもブースを出展。昨秋登場したブランニューモデルX350やX500のエントリー向けモデルから、2024年モデルでフルチェンジが行われた真打ち的モデル、ニューストリートグライドとニューロードグライドまで、数多くのモデルが用意された。ハーレーダビッドソンブースの様子とニューロードグライドのショートインプレッションをお伝えしていこう。
ハーレーダビッドソン2024モデルラインアップにおいてのヒーローモデルの一台として登場した新型ロードグライド。そもそもハーレーダビッドソンの中でも屈指の人気を誇るモデルであるからして、モデルチェンジの失敗は許されるものではない。だからこそ、その本質が気になるわけだ。
まずスタイリングから注目すると、ロードグライドのアイデンティティでもあるフレームマウントのシャークノーズフェアリングの形状が一新。昨シーズン登場したCVOロードグライドのそれに準ずるデザインとなっている。だから一目見ただけで“新型”だと分かる。これは大きなポイントだ。
車体を起こしてみると、アレ? と、違和感を覚えた。もちろん相変わらず重いのだが、随分と軽くなった印象なのである。それもそのはずで、従来モデルと比べ7キロ車重の減量に成功している。これは大きなメリットである。
心臓部は排気量1923ccのミルウォーキーエイト117エンジンを搭載。新たにシリンダーヘッドまわりに水冷方式を採用しており、さらに安定した性能を発揮できるうえ、エンジン熱によるライダーの疲労度も軽減している。
ライディングモードはロード、スポーツ、レイン、ユーザーカスタムから選ぶことができる。通常のロードモードでも十二分と言える走りを楽しめるのだが、スポーツモードにするとさらに強大なトルクとパワー感を得られる。こいつは強烈だ。気を抜いてスロットルを開けようものなら、即座にライダーを振り落とそうとしてくる。先述したように軽量化が走りに効いており、ワインディングロードでも想像の遥か上をゆくシャープなスポーティライドを楽しめる。12.3インチのタッチスクリーンディスプレイや、新形状のシート、トラベル量が増やされたリアサスペンションなどにより快適性も格段に向上している。
ひとしきり走らせて頭をよぎったのは昨今話題のレース、キング・オブ・バガーズへの参戦車両からのフィードバックも大きいのではないだろうかということだ。一昔前のロードグライドから飛躍的にエンジンの特性や足まわりのセッティングも良くなっている(人それぞれ好みはあるだろうが)。もはやこれはバガーレーサーレプリカの域に達しているのではないかと思えた。