カスタムフリークにとって年末の一大イベントと言えば、ヨコハマホットロッドカスタムショー(HCS)であろう。年末の恒例行事として、HCSは本年度の終わりを告げるイベントともなっている。そんなお待ちかねのイベント、「第28回ヨコハマホットロッドカスタムショー2019」がパシフィコ横浜で、去る2019年12月1日(日)に開催された。絶好の天気に恵まれたイベント当日は、例年にも増して大勢の来場者が入場待ちの長蛇の列をなしていた。朝8時のゲートオープンながら、1時間以上も前から何百人という来場者がエントランス前を埋め尽くしていた。イベントオフィシャルの発表はまだ行われていないが、おそらくは過去最高の来場者を記録したのではないだろうか。
コンテンツが盛りだくさんのHCSであるが、今回の最速レポート第一弾では、出展されたカスタムマシンに加え、メインコンテンツである海外からのゲストによるライドインショーに、大人気のピンストライプギャザリング、さらに今年30周年を迎えたワイルドマン石井氏のトークショーに加え、ハーレーダビッドソンブースで行われた2020年モデルのローライダーSのデザインを手掛けた日本人リードデザイナースタイリストの長尾大介氏のトークショーの模様を紹介しよう。
イベント前日の搬入日、続々と展示車両が搬入されてくる中、ハーレダビッドソンブースでも車両が運び込まれ、ブース設営が行われていた。
そしてイベント当日の朝7時、ゲート前の通路は入場待ちの来場者でご覧のように埋め尽くされた。ちなみにこの写真の後ろ側も人、人、人!
朝8時のゲートオープンとともに待ちわびた来場者が会場に吸い込まれていく。みなさん、走らないように!
まずはメイン通路サイドに展示されたゲストバイクを紹介しよう。こちらはBorn Free 11 Best in Showを獲得したTHE Cut-Rate / Oliver Jones の”Sweet Berry Wine”。ULの腰下にオープンロッカーのナックルヘッドがインストールされた心臓部に異素材を組み合わせたフレームワークに注目だ。
Born Free 11 Invited Builder 1st Placeを獲得したVintage Technologies / Hawke Lawshe’ の”AZUREUS “。エレクトリック技術を集結させたスーパークリーンなロングフォークチョッパーである。
Born Free 11 Biltwell People’s Champでウイナーに輝いたNick Busbyの1962 H-D Panhead “Double Take”。オーソドックスなチョッパーであるが、ディテイルへのこだわりが凝縮された一台である。
続いてBen “THE BOOG” Zales のパンヘッド、 “BLUE Crush”。モールディングフレームにクリーンなエクステリア、タイトなガーターフォークによりシャープな印象のマシンに仕上げられている。
こちらはYaniv Evan / Powerplant の1991FXRカスタムの”P16 Wraith”。スクリーミンイーグルのヘッドに換装されたTCモーターを搭載したパフォーマンスカスタムである。
ROUGH CRAFTS / Winston Yehの手によるストリートボブカスタム、”TARMAC RAVEN”。オーリンズの倒立フォークに焼け色が美しいチタンマフラー、スイングアームは片持ちにモディファイされている。
Born Free 11 Best Pre-Unitに選ばれたTom Heaveyの1953 Triumph TR6 “Righteous”。ホイールは前後ともHリムで、メッキフレームにエイプハンガーがポイントとなっている。
Thompsons Cycles & Alp Racing Design/ Bryan Thompsonの1955 Triumph pre-unitをベースとしたリアルレーサー、 “Arrow Racer”。コンパクト極まりないマシンであるが、その戦闘力は計り知れないマシンである。
昨年のHCSでベストオブショーモーターサイクルを獲得したカスタムワークスZONが手掛けたBMWのコンセプトマシン、”R18 Departed”。BMW本社主導である新型ボクサーエンジンのR18コンセプトプロジェクトのカスタムマシンである。
さぁ、お待ちかねのライドインショーだ! バックヤードではZONの吉澤氏が”R18 Departed”のエンジンを始動させ、ライドインショーの準備中。
リアルレーサー、 “Arrow Racer”はムーンアイズのハイラックスからバッテリーをジャンプしてエンジンスタート!
こちらはバックヤードでライトを当ててディスプレイかと思いきや、エンジンを暖めてライドインショーに備えている模様。バックヤードはさすがに寒い。
ライドインショーのトップは、昨年の覇者、ZONの”R18 Departed”。ライダーはもちろん、ZONの吉澤氏。排気量1,800ccのOHV空油冷ボクサーエンジンのサウンドが会場に響き渡る!
こちらはスーパークリーンなロングフォークチョッパー、Vintage Technologies / Hawke Lawshe’ の”AZUREUS”。
続いて1962 H-D Panhead “Double Take”もライドイン! 乗り手が加わってこそ、このスタイルのマシンは完成する。
トライアンフのリアルレーサー、 “Arrow Racer"もライドインショーに参加。レーサーならではの怒涛のエキゾーストノートに会場は大興奮。
1953 Triumph TR6 “Righteous”もライドイン!特徴的なエイプハンガーであるが、Tom Heavey本人が乗ると、ベストポジションと言える。
続いて四輪カスタムも紹介しよう。こちらのBob Reisners “Bathtub” Show Rodは、その名の通り、バスタブがリアシートに使用されている。なんとフロントのドライバーズシートはトイレ!Dave Shutenが手掛けたBob Reisnersのトリビュートマシンである。
Galpin Auto SportsのBeau Boeckmannが手掛けたEd Roth’s “Tweedy Pie”もライドイン!
ライドインショーの後は、お約束となっているゲストのフォトシューティング。
5台ものハイエンドカスタムを持ち込んだバッドランド。TCベースにVロッドベースと、スタイリングは違えど一目でバッドランドのマシンだと主張するその個性は、もはや唯一無二のものだ。
カスタムファクトリーノイズが手掛けたFXDR114カスタムとブレイクアウトカスタム。M8のソフテイルをベースに、ここまで仕上げられたマシンにはそうそうお目にかかれないだろう。
モトショップトノウチが製作した1983年式のショベルヘッドカスタム。ストレッチされたステムにロングフォークを装着し、美しいスタイリングを入手している。
スパイスが持ち込んだ60’sカスタム。フロントフォークとシンクロするエイプバーのラインと、やや後ろ下がりのスタイリングがポイントとなっている。
ヒデモーターサイクルが手掛けたショベルカスタム。ヒデモ流のネオボバーとも呼べる仕上がりを誇る美しいマシンである。リアフェンダーと一体型に製作されたシート下のオイルタンクにも注目していただきたい。
アトリエチェリーによるトラッカーテイストのダブルシートにフューエルタンクはシートベースと一体型で製作。磨き込まれたプライマリーカバーに、ショベルユニットにはBキャブとマグネトーが装着されている。
スイングアームフレームのEVOベースにYOSSY’Sが製作したこちらのカスタム。コフィンタンクに三段シート、リアにはリジッドバーが取り付けられている。
ブルオリジナルが持ち込んだEVOスポーツカスタム。オリジナルのボートテイルを装着した個性的なマシンであるが、そのまとまりは一級品である。
同じくブルオリジナルが手掛けたEVOスポーツカスタムであるが、こちらはオフロードテイストに仕上げられている。リアショックの内側に取り回されたマフラーに注目!
BOOTLEGが製作した1993年式のEVOカスタム。キャブレターにはLキャブ、点火はマグネトーでキックが装着されている。ダブルシートのフリンジもいい雰囲気である。
プロトブースではZERO DESIGN WORKSのスプリンガーフォーク&デモカスタムにベルファストのデモカスタムなどが展示された。
2004年式のFXSTをベースにセレクテッドが手掛けたハイエンドチョッパー。ハイマウントされたエッグタンクにミディアムエイプ、リアにはシッシーバーを装着し、全体のバランス取りが行われている。
もう一台、セレクテッドが持ち込んだTCファットボーイベースのカスタムマシン。このスタイルは、もはやセレクテッドの代名詞的存在のマシンであり、乗り手が加わると最高にクール!
ロデオモーターサイクルが手掛けたこちらのマシンは、ストレッチフレームのロングフォークカスタムにスプリットロッカーのレーサーで、同店の懐の深さを表す車両と言えるだろう。
ハーレーダビッドソンのブースでは、2020年モデルのニューモデル、ローライダーSのプロモーションが行われた。
2020年モデルで復活を遂げたソフテイルファミリーの新型ローライダーS。立ち気味のネックに倒立フォーク&ライザーバーを装着したクラブスタイルのローライダーに仕上げられている。
こちらは、エイプハンガーとスピードスクリーンが到着されたローライダーのカスタムモデル。
そしてハーレーブースには、ウイリーGがデザインを手掛けた初代ローライダーである、1977年式FXSローライダーも展示された。このスタイリングが、ローライダーの原点である。
午前と午後に2回行われた、2020年モデルのローライダーSのデザインを手掛けた日本人リードデザイナースタイリストの長尾”ダイス”大介氏によるトークショーでは、ローライダーSのデザイン面での開発秘話が語られた。インタビュアーは伊勢カメラマンが担当。
ハーレーブースにはローライダーS開発にまつわるデザインスケッチなどの貴重な資料も展示された。
こちらはHCS人気コンテンツのピンストライプギャザリングブースの模様。歩くのもままならないほど大盛況!
そのピンストライプギャザリングブースでは、今年30周年を迎えたワイルドマン石井氏も例年通りブースを構え、ファンとの交流が行われた。
その30周年を記念したTシャツやステッカー、キーリングなども販売され人気を集めていた。
午後に行われたワイルドマン石井氏のトークショーではこの人集り!30周年を讃えるアートピース製作のライブパフォーマンスも行われ、M&K CUSTOM SIGNS、シェイキン、T’sDesignが参加。
ピンストライプギャザリングには、お馴染みシェイキン、M&K CUSTOM SIGNS、KEN THE FLATTOP、GRIMB Krazy Paintingも例年通り参加。
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