オーストリア南部の小さなリゾート地が、ライダーたちで溢れかえる「EUROPEAN BIKE WEEK」。隣国スロベニアの国境に近いファーカー湖とその周辺の街には、火曜日から続々とライダーらが集まりだし、週末にかけて少しずつ熱気を帯びていく。
20周年を迎えたアニバーサリーイベント
6日間で12万5000人を集めた
毎年9月上旬、オーストリア南部ケルンテン州フィラッハ・ファーカー湖で開催されているハーレーダビッドソンのビッグイベントが「EUROPEAN BIKE WEEK」だ。開催20周年を迎えた今年は9月5日から10日の期間に12万5000人もの来場者を数え、7万台のモーターサイクルが集結。土曜日には1万台という大規模なパレードもおこなわれた。
Harley-davidson Villageと名付けられたメイン会場は、ファーカー湖畔の広大なエリア。火曜日からハーレーを中心としたバイク乗りたちが集まりだし、メインステージでは23時までミュージックライブが繰り広げられているから驚く。
正規ディーラーやカスタムショップ、アパレルブランド、パーツ販売店などが出展し、フード&ドリンクエリアではアルコール類もゴキゲンに楽しんでいるのは、アメリカや他のヨーロッパでのイベントと同じムード。この時期は天候もベストで、お祭りムードをただただ楽しむことができた。
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01クライマックスともいえる土曜日のパレードには1万台が参加。近隣の街も巡るコースは約2時間をかけてのライディングで、それはもはやショートツーリングという距離感。その規模に驚かされる。
02メインステージでは毎晩、夜遅くまでミュージックライブが行われていた。金曜日は23時よりBlack Stone Cherry、土曜日は21時半からDanko Jonesがラストステージで大暴れ。どちらも来日公演を果たしている人気メジャーバンドだ。
03カメラを向けると、陽気にスマイルを返してくれるのは万国共通。水曜日に少しだけ雨がぱらつく程度で、期間中は天候にも恵まれた。
04恒例となっているCustom Bike Showも見逃せない。最終審査に残った70台のマシンはいずれも見応え充分で、Best in Show、People’s Choice、Antique、Big Twin、Custom、Ladies of Harley、Radical、Sportster、Touring、Water-cooledと各部門でアワードが決定された。
05こちらはセパレートハンドル、シートカウル、バックステップを備えた、XL1200CXロードスターの純正カフェカスタム。やはりヨーロッパではトレンドの様子で、注目を浴びている。
06Harley-Davidson Ravenna(イタリア)が製作したXL1200CXロードスターも視線を集めていた。オールアルミ製の外装は一体構造になっている。
07HARLEY-DAVIDSONや正規ディーラーのブースには、早くもNEWソフテイルのディスプレイがあった。やはり注目度は高く、跨ってライディングポジションを確かめる人が後を絶たない。
08「ちょっと記念に跨ってみようかしら」ではなく、欧米では女性もウルトラを躊躇なく選ぶ。最新ミルウォーキエイト搭載のツーリングファミリーも人気がある。
09テストライド用にもNEWソフテイルが用意されている。試乗はクローズドコースではなく、一般道に出て行ける。
10同行したHDJ担当者の計らいもあり、記者らも試乗させてもらった。オーストリアでのプチツーリングだ。特別に時間を延長してもらい、東欧の美しい景色の中、最新モデルを走らせることができた。
11オーストリアのディーラーへ行ってみようということになり、40kmほど離れたクラーゲンフルトという街にあるHarley-Davidson Motodrom Zweiradに足を運んだ。ディーラーにカフェ「REBEL84」が併設されていて賑わっている。
12このあたりでは雪山でのヒルクライムレースが盛んなようで、こちらのディーラーでもビューエルにて入賞経験があるようだ。スパイクタイヤを履いたハーレーダビッドソンは、EUROPEAN BIKEWEEKの会場でも何台か飾られているのを目にした。
13NEWソフテイルファミリーのディーラーへのデリバリーも、訪れた9月上旬の時点ですでに始まっているようだった。
14バイクウィークに集まるのは高年式車が圧倒的多数だが、旧いモデルもチラホラ見かける。
15女性や子どもたちの姿も多い。ファミリーで、恋人と、あるいは女性たちオンリーでヨーロッパ中からハーレー乗りが集まっている。
16NEWブレイクアウトをライディングしているのは、なんとハーレーダビッドソン創設者のひとりウィリアム・A・ダビッドソンのひ孫、カレン・ダビッドソンさん! このイベントのために、ミルウォーキーからやってきたのだった。サイン攻めにあっているところ、「ブルスカでも、110周年セレブレーションのミルウォーキーでも、インタビューさせてもらいましたよ」と声をかけると、「ええ、覚えているわよ、アナタのこと」と言ってもらい感激!!
17公式プログラムのひとつにFLAT TRACK RACEがあり、各国メディア対抗レースも開催。優勝者にはストリートロッドのフラットレース仕様車が贈られるという興奮きわまりないレースであったので筆者ももちろん参加。しかし、欧州の猛者らには歯が立たず、バイクはもらえず終い。エキサイティングな時間をレーストラックで過ごすことができた。