VIRGIN HARLEY |  ハーレーのエンジンを持つフランスのバイク「アヴィントン」トピックス

ハーレーのエンジンを持つフランスのバイク「アヴィントン」

  • 掲載日/ 2016年06月29日【トピックス】
  • 取材協力/モトコルセ
    取材・写真・文/田中宏亮
ハーレーのエンジンを持つフランスのハイエンドバイク「アヴィントン」の画像

エンジンは米S&S社製のツインカム、骨格は純ヨーロピアンという「アヴィントン」。

アメリカの心臓を持つヨーロッパバイク
その性能はハーレーをはるかに凌駕する

今年2016年3月に開催された東京モーターサイクルショー(東京ビッグサイト)において、主にヨーロッパ系バイクの輸入・販売を行う「モトコルセ」(神奈川県厚木市)のブースにてフランス製モーターサイクル「AVINTON」(アヴィントン)が出展された。ハーレーをよく知る人には馴染み深い米S&S社製のツインカムエンジンを心臓に、ヨーロピアンテイスト溢れるスポーツバイクの骨格を与えられたハイエンドなネイキッドスポーツバイクが取り揃えられている。

ベースモデルは存在するが、あくまで最初の一歩としての位置付けになっており、そこにオーナーの好みに合わせたオプションパーツを取り入れて、この世に一台だけのカスタムマシンを創り出そうというのがコンセプトだ。東京モーターサイクルショーでも2台のバイクが展示されたのだが、うち一台はほぼベーシックなスタイルのもので、もう一台はアヴィントンとモトコルセが揃えるカスタムメニューをふんだんに取り入れたハイエンドマシンとなっており、限定10台、販売価格は867万円と、ハーレーのCVOが霞んでしまうほどの設定となっていた。

アヴィントンの根元にあるのは、1960年代に世界を席巻したスポーツカー「ACコブラ」のアプローチ法だ。米フォードモーター社製エンジンにブリティッシュデザインの骨格が与えられたスポーツカーの背景を知ると、まさにアヴィントンそのもの。ハーレーの源であるツインカムエンジンの性能を最大限に引き出したネイキッドスポーツで、ライディングを存分に楽しむことを目的としているのだ。

シートカウルにフューエルタンク機能を移設させ、さらにエアクリーナーをエンジン上部に取り入れるなど、画期的なスタイリングとなっているアヴィントン。キャブレター仕様ながら排気量1,647ccのパワーをめいっぱい引き出すセッティング、そして誰もが憧れる最高峰のフットワークを惜しみなく取り入れたマシンは、その価格以上の魅力を漂わせる至高のオートバイとなっている。

それでは、東京モーターサイクルショーで展示されていた2台のアヴィントンをご紹介しよう。

フォトTOPICS(写真点数/12枚)

ハーレーのエンジンを持つフランスのハイエンドバイク「アヴィントン」
012016年3月の東京モーターサイクルショーのモトコルセブースに展示されたアヴィントン。エンジンを見なければ、ハーレーと同じエンジンを持つバイクとはまず気づくまい。
ハーレーのエンジンを持つフランスのハイエンドバイク「アヴィントン」
02エンジンは米S&S社製 排気量1,647cc キャブレター仕様のツインカム。「S&S」の刻印がその出自を主張する。
ハーレーのエンジンを持つフランスのハイエンドバイク「アヴィントン」
03アヴィントンのベースモデルは(左から)「コレクターGT」「コレクターRace」「コレクターRoadster」の3タイプ。それぞれの違いが出ているのはハンドルの形状&位置で、GTはセパレート&ミドルポジション、Raceはセパレート&ローポジション、Roadsterはバーハンドル&ハイポジションとなっている。
ハーレーのエンジンを持つフランスのハイエンドバイク「アヴィントン」
04コレクターGTをベースにモトコルセがプロダクトした「コレクターGT ダートトラックスタイル」。販売価格は690万円と、ハーレーの最高値であるCVO リミテッド(512万円)を大きく上回る。
ハーレーのエンジンを持つフランスのハイエンドバイク「アヴィントン」
05その名のとおり、ダートトラックシーンに登場するダートレーサーをイメージしたカスタムメニューが組まれている。ハイマウントマフラーなどがそのポイント。
ハーレーのエンジンを持つフランスのハイエンドバイク「アヴィントン」
06本来フューエルタンク機能があるエンジン上部にファンネル式エアクリーナーを備え、ボディのシルエットをシャープに仕上げた。ヘッドライトはハーレーでも人気が高いLED仕様とし、アップライトなハンドルバーでダートトラッカーらしさを演出。
ハーレーのエンジンを持つフランスのハイエンドバイク「アヴィントン」
07フューエルタンク機能がシートカウルに移設されているのがアヴィントンの特徴。オーリンズ製倒立フォークに独ベルリンガー製ブレーキキャリパー&マスターシリンダーといった最強の組み合わせが備わる。さらにドライカーボンのホイールにドゥカティ・スクランブラーのブロックパターンタイヤを履かせるという、主にイタリアンバイクを取り扱うモトコルセらしいアイテムチョイスに成っている。
ハーレーのエンジンを持つフランスのハイエンドバイク「アヴィントン」
08こちらが限定生産10台、価格が867万円という驚愕のマシン「コレクターGT モトコルセ エディションC」。
ハーレーのエンジンを持つフランスのハイエンドバイク「アヴィントン」
09ネイキッドスポーツバイクとしての究極を目指したモトコルセ渾身の一台。普段見慣れたハーレーダビッドソンとはまったく異なるオーラが漂う。
ハーレーのエンジンを持つフランスのハイエンドバイク「アヴィントン」
10ネイキッドレーサーらしくセパレートハンドルをアンダーマウントとし、エンジンパフォーマンスを最大限に引き出すセッティングを施しつつ、オリジナルのカーボンフェンダーでさらなる軽量化も。
ハーレーのエンジンを持つフランスのハイエンドバイク「アヴィントン」
11モトコルセ オリジナルのフルチタンマフラーがパフォーマンスアップ&軽量化に貢献。メッツラーのロードタイヤを履いたマルケジーニ社製アルミニウム鍛造ホイール(F17 / R17)、オーリンズ製ステアリングダンパー、削り出しの専用バックステップと、一分の隙もないコンプリートバイクとして仕上げられている。これらのメニューとツインカムエンジンがどんなハーモニーを奏でるのか、恐ろしくもあり、楽しみでもある。
ハーレーのエンジンを持つフランスのハイエンドバイク「アヴィントン」
12モーターサイクルの世界に新たな価値観をもたらそうとするアヴィントン。ヨーロッパの最高峰が見せつける世界観にこそ、現代のムーブメントが潜んでいるのかもしれない。
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