VIRGIN HARLEY |  スポーツスター de サーキットライフ「第4回 COOL-BREAKER」トピックス

スポーツスター de サーキットライフ「第4回 COOL-BREAKER」

スポーツスターでサーキット走行の画像

サーキットという特殊な環境にV-H編集部員が自身のスポーツスターを持ち込み、これまでになかった“ハーレーで走る楽しさ”をお届けしていこうという、お気楽ながらも“コケたら一大事”なコラムです。

COOL-BREAKER

また半年越しの更新で申し訳ございません。やる気はあるんです、ええ。と、いろいろ喋ったところで言い訳にしかならないので、今回のお話へとさっさと進みましょう。

前回から特にバイク自体は進化しておらず、やや停滞感があったそんなある日、毎年恒例のハーレーダビッドソン カスタムショー COOL-BREAKER (クールブレーカー)のお知らせが。一年ごとに屋外と屋内、交互で開催する同ショー、屋外開催年である今年、なんと会場は富士スピードウェイ(静岡・御殿場)とのこと。聞けば、ここFISCO(富士スピードウェイの略称)のショートサーキットコースを貸し切り、通常のカスタムハーレー展示に加え、サーキット走行会とドラッグレースという“ハーレーを走らせる”催しを混ぜての開催になるという。で、さらに詳細を見ていくと、SSC(スポーツスターカップ)クラスも設けられているじゃありませんか。

2000年頃に流行ったスポーツスターカップ。かつては全国各地のハーレー好きレーサーが一堂に介し、筑波サーキット 本コースなどで開催されていたビッグイベントでしたが、今は参加者も減り、開催回数も激減。そんなSSCが同時開催されるということで、早速エントリー。“スポーツスターだけでサーキットを走る”機会なんて滅多にありませんからね。

ハーレー乗りにとって富士スピードウェイと言えば、ブルースカイヘブンが真っ先に浮かぶことかと思います。確かにワタクシ自身もここには何度と足を運んだ覚えがありますが、サーキットを走るのは初めて。こんな気分でFISCOに来るのは初めて。遠足前の小学生のように、前日からワクワクがとまらない感じ。

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屋外と屋内を毎年交互で開催しているCOOL-BREAKER。今年はドラッグレースや走行会を組み込んでFISCOで開催!
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ブルースカイヘブンでお馴染みの富士スピードウェイ、通称“FISCO”。コースで走るのはこれが初めて……ちょっと新鮮な感じです。

サーキットコラムから生まれた
バックステップ同好会!

今回の参戦にともない、これまでのようなソロ参加ではなく、とある方にお声がけしてのエントリーとしました。以前ハーレーカスタム紹介で取材した めっささん @ 2007 XL883R で、「ひとりでサーキット走行会に参加している」と伺ったもんで、せっかくハーレーだけでサーキットを走れる貴重な機会と、お誘いした次第。

そしてVirgin-Community内にてスポーツスター バックステップ同行会というグループを結成。メーカー不問、とにかくスポーツスターにバックステップを装着して、サーキットやワインディングを攻める変態さんの集まりをつくろう!という内容のグループでございます。そのオフィシャルな活動の第一弾として、このCOOL-BREAKER サーキット走行会への参戦としたわけです。と、やたらと大げさな言い回しをしていますが、現在メンバーは2名。嗜好性が特殊なために希少種しか集まらないニッチなグループですので、基本的に細々と活動していく予定です。

……などとお気楽モードでエントリーかましたワタクシですが、COOL-BREAKERを主催するカスタムショップ HOT-DOCK CUSTOMCYCLES 代表の河北さんのFacebookを見ていると、XR1200にて本気モードで参戦する人がいるのを目にして、冷や水をかけられたような気分に。

そう、このCOOL-BREAKER走行会は、“走行会”ではなく、文字どおり“レース”だったのです……。

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スポーツスターにバックステップを装着する変態の集い、バックステップ同好会が始動。

富士スピードウェイ ショートサーキット 全容

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全長/810~920メートル(コースレイアウトによる)
コース幅/10~12メートル
コーナー数/コースレイアウトによる 
直線数/コースレイアウトによる
勾配/[最大下り] 5パーセント [最大上り] 8パーセント
ピット/5メートル×6.5メートル×14庫
資料提供:筑波サーキット
日本人初のル・マン24時間耐久レース制覇者 関谷正徳氏監修のもと設計されたコースで、なんと18通りものコースレイアウトが可能。充分なコース幅やセーフティーゾーンを備え、街乗り車両やチューニングカー、カート、ミドルフォーミュラまで走行できる本格サーキット。
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朝 8:00、FISCO入り。朝焼けの山々が美しいです。
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早速車両を車検に。あっさりとパス。
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車検をクリアした証明としてCOOL-BREAKERのステッカーが。
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直後、同タイミングで会場入りしていためっささんと合流。
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さらに、かつてSSC(スポーツスターカップ)での優勝経験を持つ中島早人さん @ Nak.HayS Speed (福岡)も参戦。ピットでご一緒させていただくことに。
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こちらが中島さんのスポーツスター XL1200S。カスタムという点で言えばシンプル、ステップもノーマル位置。はてさてその実力は……?
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中島さんのペイントショップ Nak.HayS Speed の作品群。この技術は日本屈指と言っていいでしょう。
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中島さんのヘルメット。往年の名レーサー スコット・パーカーのレプリカモデルをベースにオリジナリティを加えたスペシャルペイント。カッコいい!
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ずらっと並んだXR1200……って、これらと一緒に走るの? どう考えたってスペック上やん!
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めっささんのXL883R。ご自身で着々とカスタムを進めてきたオリジナリティあふれる一台。
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イベント開始前のブリーフィング。真ん中で拡声器を持って取り仕切っているのが、HOT-DOCK 代表の河北さん。
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嵐の前の静けさか……この雰囲気もレースならでは。
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準備万端の中島さん。この姿を見るだけで、昔のSSCをほうふつさせられます。
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まずはSSCクラスの走行会がスタート。
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ワタクシも準備を終え、出走!
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一周めは和やかな感じで走り出す一団。
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中島さんもアップライトな走り出し。
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めっささんもゆっくりとペースを上げていきます。
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のっけからビビりまくりなワタクシ。
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早朝の富士は路面が冷え冷え。タイヤも温まっていないので、思うようにペースを上げられません。コカしたら一大事ですから。
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……っと、路面に落下物が! どうも前方を走っていたバイクの部品が落ちたようです。カンベンシテクダサイヨ。
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ハイペースなXR1200の後塵を拝むワタクシ。だから、路面もタイヤも冷たいんだって。
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ミッドコントロールなのに、バツグンのバランスでコーナーをクリアしていく中島さん。さすがです。
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ご覧のギャラリー。かなりテンション上がります。
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最終ラップにて、チェッカーフラッグを振る河北さん。一本20分(出走前の準備なども含めるので、実質15分ほど)の走行、走っている方は割りと長く感じました。
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続いてヴィンテージハーレーが走るAVCC。ジョッキーシフトの方もいらっしゃいました。
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2013年とは思えない光景。タイムスリップしたかのよう。
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オートグラフィックフジシマ が手がけた KR が!
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MVアグスタのヴィンテージモデルも! スゴい!
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完全レーサー仕様のXR750。存在そのものが凶暴です。
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SSC第2回出走前。陽が高くなって、全体的なコンディションも良くなってきた感じ。ギャラリーの注目を集めている感じが嬉しいです。
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MotoGPレーサー バレンティーノ・ロッシの真似をして、出走前のお祈りなぞ。
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そんな馬鹿を尻目に、ウカれることなく落ち着いて出走を待つ中島さん。
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XR1200軍団がコースイン。
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この赤いバイク、エンジンを見るとツインカムですね……マジか。
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アゴが浮いているところが素人丸出しな感じですね。こうして、後から自分の写真を見ると、ウンザリします。
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走行会という前提ながら、もはやバトル状態。コーナーからの立ち上がりの迫力と言ったら!
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先頭集団が怒涛の勢いでコーナーに突っ込んでいきます。
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ミッドコントロールでこのバランス……やはりサーキット走行はスピードではなく、コース取りとバランスなんですね。見習うところが多いです。
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もはや何周か分からないほどの周回遅れになっていたヘタレ。
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これだけのギャラリーが集まっている前で走る機会、そうそうありません。しかもハーレーだけ!
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中島さん同様、往年のSSCで表彰台を欲しいままにしていた BURN! H-D Sports 代表の奥川さん。悪魔みたいな速さでした。
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ブレてて申し訳ありません。東京・八王子の TASTE CONCEPT MOTOR CYCLE が手がけたスポーツスター XL1200S カフェレーサー。こちらも強烈に速かった。
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当然ながら、中島さんはトップ集団。奥川さんら同様、「もはや次元が違う」レベルでした。
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ホームストレートで横に並ばれる!
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「おっ先ぃ~~~」と、あっさり抜かれます。
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めっささんも“めっさ”速かった。……ダジャレがつまらないのはさておいて、いやホントに。
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あまりに周囲の皆さんが速かったため、2回めまでビビりながら走っていたワタクシ。3回めも抜かれまくりでしたが、ようやく落ち着いてコース取りをしながら攻略できるように。とはいえ、3回で終わりなんですけどね(笑)。
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BLACK CHROME BIKE WORKS のビルダー松本さんはアイアンを持ち込んでAVCCに出走。過去の転倒エピソードを伺ったのですが……聞いていて怖かったです(笑)。
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当のCOOL-BREAKERはと言うと、ご覧のとおりの盛況ぶり。朝は割りと冷え込みましたが、時間が経つにつれ心地良い陽気が楽しめるように。FISCOは天候が読めないところなので、晴れて良かった!
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中島さん「ジャージーさん、なにやってんの?」 ジャ「いや、ロッシの真似を……」 中島さん「………」
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ハイこちら、スポーツスター バックステップ同好会でございます。(左から)顧問の中島早人さん、ワタクシ、めっささん。今後、メンバーが増えるかどうかは分かりません。
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走行会を重ね、ワタクシのブーツも年季が……まだ早い?
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夕暮れのFISCOから見る富士山。COOL-BREAKERに出走された皆さん、お疲れさまでした!

初体験のFISCO ショートサーキット
アップダウンが多く怖いことだらけ

初走行となったFISCOのショートサーキット・ラン、その感想はと言われると……「怖かった」の一言です。何がって、“アップダウンが多かった”こと。これまで経験したトミンや筑波1000は、どちらかと言えば平面型サーキットで、どこから見渡してもコースの全容が見えるのですが、このFISCOショートサーキットは最終コーナーからホームストレートにかけて大きく下りになっていたり、かと思ったら第3コーナーでグン!と盛り上がっていたりと、パワー配分がとにかく難しかった。

そして……周りの方々の速いこと速いこと。もはや走行会なんて言葉は飾りでしかなく、コースインと同時に皆さん本気モード、初心者モード全開のワタクシはガンガン抜かれる有様。でも仕方ありません、経験差というほかないですから。改めて感じたのは、周りの速さはさておき、サーキットによってこうも展開が違うものかと感じたこと。やっぱりいろいろ経験しなきゃ、ですね。

それと、キチンとした走り方を学びたいとも思いました。恩田さん、鬼のライテク講座、早くやりましょうよ!

プロフィール
VIRGIN HARLEY.com 編集担当 田中 宏亮

通称“ジャージー”。愛車は2008 XL1200R TRAMP CYCLE special。齢30代後半にしてサーキットライフに開眼、周囲が止めるのにもかかわらず、フルカスタム スポーツで走り出した馬鹿。記事の好みもスポーツスターに集中するなど、完全に偏ってきているが、本人はあえてその方向でブレイクスルーするつもりらしい。

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