サーキットという特殊な環境にV-H編集部員が自身のスポーツスターを持ち込み、これまでになかった“ハーレーで走る楽しさ”をお届けしていこうという、お気楽ながらも“コケたら一大事”なコラムです。
半年ぶりの更新となってしまった本コラム、「またアイツ、途中でほっぽりだしたんじゃねぇか?」なんて陰口が聞こえてくるような……。とまぁ冗談はさておき、諸々の事情から約3ヶ月間、再び大阪の TRAMP CYCLE に入庫されていた我がスポーツスター。前後アップにミリバー換装、シート変更などを施した 前回のカスタム第2弾 でのお預け期間と合わせると、この一年のあいだに半年近くも TRAMP CYCLE に預けていたことになります。帰ってきた際の感激といったらもう……。
閑話休題。
フルメンテを終えて戻ってきた愛機、もちろんそれだけでは終わってはいませんとも。昨年12月に走ったトミンモーターランド にて、ノーマルステップが半分以上削れてしまい、見た目の悪さも合わせ交換を余儀なくされていたのです。で、店主との協議の結果、同店オリジナルのバックステップキットを装着することとなりました。こうしてバックステップへと変更すると、ある意味“一線を越えた感”が出るのは僕だけではあるまい。もちろん、ライディングポジションは以前とまったく違ってくる(やや前屈気味になる)ので、乗り方だって変わってしまいます。
一ヶ所だけだが、大きな変化を遂げた我が愛機が次に挑むのは……サーキットを駆るライダーならご存知、筑波サーキットです!
愛機が戻ってきたわけですから、コラム再開のためにもサーキットへ赴こう!とプランを検討していた折り、千葉に居を構える輸入車販売会社 グッドウッド二輪商会 がサーキット走行会『グッドウッドカフェ サーキットエクスペリエンス 2013』を催すとの情報をキャッチ。教えてくれたのは、バイク雑誌 MOTO NAVI などで活躍するライダー兼モデルのREIさん。「一緒に走りに行きましょう!」とお誘いくださったこともあり、参加について前向きに検討しだしました。
問題は、場違い感満載なこと。
ドゥカティやBMW、トライアンフなどを取り扱うグッドウッド主催ということで、参加条件には「排気量400cc以上の輸入車」とあります。とはいえ、普通に考えれば参加されるのは上記メーカー系のスポーツバイクがほとんど。僕以外でハーレーで参戦する方がいらっしゃったら、それは相当の変わり者だと思うわけです。
が、変わり者&天邪鬼なワタクシはその参加条件を見て、「ハーレーはダメ、とは書いていない」とスーパーポジティブ解釈をし、ドゥカティ松戸 にご連絡。「ハーレーなんですが、良いですか?」というセリフに言葉を詰まらせる店長、「ま、まぁウチ(グッドウッド)もハーレーを取り扱っていますからね……」と、逆に気を使わせてしまう大馬鹿野郎で申し訳ございません。
そして走行会当日、マイカー ステップワゴンにスポーツスターを積み込んだワタクシ、会場である筑波サーキット コース1000に入ったのであります。ちなみにこのコース1000、これまで走ってきたトミンモーターランドが全長550メートルですから、約2倍!
輸入バイクの販売を手がけるグッドウッド二輪商会では、参加者のスキルをワンランクアップさせることを目的としたスクール型の走行会『グッドウッドカフェ サーキットエクスペリエンス』を年に数回、開催されています。
参加者の希望から「初級」「中級」「上級」各クラスを選び、各々の課題や目指す目標をインストラクターがヒアリング、課題のクリアとともにライディングスキル向上を目指しており、BMW、ドゥカティ、トライアンフなどグッドウッドが手がける輸入バイクメーカーをメインとする大型インポートバイクのオーナー向けのイベント。
グッドウッドグループには、ハーレーダビッドソン松戸 や ハーレーダビッドソン グッドウッド足立 などハーレーダビッドソンジャパン正規販売網も名を連ねており、ハーレー向けのライディングテクニック講習会なども実施することがあるそう。ご興味がある方はぜひお問い合わせを。
ついにバックステップ装着という禁断のカスタムに踏み切ってのサーキット走行。ノーマルステップのときならすでにガリガリと音がしていたコーナーでも、以前より倒し込んでクリアすることができるように。またステップ位置が変わったことでライディングポジションも前屈気味になり、ハンドリングから何からガラっと変わるなど、その恩恵を十分に感じ取ることができました。
今回はスクール形式の走行会だったことから、インストラクターのアドバイスもあって自分のスキルを客観視でき、体重移動やブレーキングなど、日常でも必要なライディングの基礎を見直せたのは大きなプラスポイントでした。
ただし、自分のスキル以外での問題が。ノーマルステップ時よりも倒し込めるようになった一方で、ステップの代わりにサイドスタンドやエキパイを擦ってしまうという弊害が発生。TRAMP CYCLE でサーキット仕様にカスタムされた 2001 FXDX は、コーナリング時にも擦らない位置にまでカチ上げたエキパイをワンオフ製作することで問題を解決していたのですが、はたして自分がそこまでする必要があるのか……。
そんなことを考えた初ツクバだったわけですが、改めてライディングスキルの基礎の大切さを感じ入った次第。次回こそ……保留になっていたH-Dインストラクター 恩田浩彦氏による地獄のライテク特訓か?
通称“ジャージー”。愛車は2008 XL1200R TRAMP CYCLE special。齢30代後半にしてサーキットライフに開眼、周囲が止めるのにもかかわらず、フルカスタム スポーツで走り出した馬鹿。記事の好みもスポーツスターに集中するなど、完全に偏ってきているが、本人はあえてその方向でブレイクスルーするつもりらしい。