パシフィコ横浜の全フロアを使ったHCSであるが、ご覧のように会場は人で埋め尽くされている。まさに世界に誇るカスタムの祭典である。
2011年の総決算とも言えるカスタムフリークの祭典、「20th Annual YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW 2011」が去る2011.12.04にパシフィコ横浜で開催された。HOT ROD CUSTOM SHOW(HCS)は1992年の第1回目から、今年で記念すべき第20回目を迎えることとなった。今期MOTORCYCLESのMAIN GUESTはCHABOTT ENGINEERINGの木村信也。ランドスピードレーサー、1946 KNUCKLE HEAD “SPIKE”と1974 MV AGUSTA 750S “BIUE-ONE”とともに来日を果たした。2台ともに走りはもちろんのこと、有機的なアルミ製エクステリアが真骨頂のマシンである。CARS GUESTにはHBJ本誌で連載していた “SPEED” でもお馴染みのレースカークラブ、“BEAN BANDITS” が、数々にレコードを樹立した2台のランドスピードレーサーとともに来日。さらにSALINAS BOYSのCOLE FOSTERに、HIPPODROME STUDIOのJEFF DECKER、DICE MAGAZINEのMATT & DEANなど、HCSには欠かせないメンバーも集まった。MOTORCYCLE SHOW 600台、CAR SHOW 280台、VENDER BOOTH 270件、そして入場者数1万4000人、そのうち海外から500人を動員した今期HCS。二輪四輪を含め、もはや世界中のメディアから注目を集めるワールドワイドなカスタムショーに発展を遂げたこのHCSのすべてを最速レポート。
朝9時の開場を前にゲート前の通路には1000人オーバーの長蛇の列が! このため開場を15分繰り上げて8時45分にゲートオープン。
開場後、場内に流れ込むオーディエンス。9時30分からはじまるゲスト入場のRIDE IN SHOWを目当てに、フリークが会場へ吸い込まれて行く。
こちらはショー前日の搬入日の模様。HCSに久々の登場となるナイス!モーターサイクルのブースでは、只ならぬことが行われている様子。
車両&ブースのセッティングに余念のない全国から集まったカスタムビルダーたち。仁田さん、清水さん、渡辺さん、黒須さん、ボヘミアン、宮浦さん、松本さん。
四輪ホットロッドのセッティングも着々と進められて行く。PUMPKIN SALLYの1929 FORDや、新設のCAR CLUB PLAQUEなど見所満載。
メインイベントのRIDE IN SHOWを前に、会場裏の搬入通路で1946 KNUCKLE HEAD“SPIKE”のセッティング中のCHABOTT木村さん。
1946年式の古めかしいこのKNUCKLE HEADにホットロッドの精神を注入。スピードを求め、幾度となくバラしては組み直されたこれが“SPIKE”の心臓部。
ドライレイクやソルトフラッツで戦ってきた“SPIKE”。機能が最優先のランドスピードレーサーであるが、造型の美しさ、拘りがそこかしこに潜んでいる。
リジッドフレームにスプリングフォーク、ジョッキーシフトのこのナックルヘッドは、木村信也が手掛けた紛れもないチョッパーである。
フロントカウルが特徴的な1974 MV AGUSTA 750S“BIUE-ONE”。五感に訴えかけるこの造形美こそが、木村信也の神髄である。
モーターサイクルゲストの先頭を切って、“BIUE-ONE”で会場入りする木村さん。場内は割れんばかりの喝采が巻き起こった。
HCS 2010のBEST OF SHOW MOTORCYCLEを勝ち取ったVIRTUOSOの1969XLHでRIDE IN SHOWスタンバイ中の宮浦さん。
6インチオーバーのスプリングフォークが取り付けられたKフレームのコンパクトなアイアンチョッパーで、いざRIDE IN!
2011 PANHEADでRIDE INするEVIL SPIRIT ENGINEERINGのMICHAEL BARRAGAN。ストレッチされたフレームながらもポジションはニュートラル。
BEAN BANDITSが、持ち込んだ2台のランドスピードレーサーもRIDE IN! FABIANのROADSTER“#3400”とJULIOのROADSTER“#131”。
エントランスのすぐ脇に設けられたCHABOTT ENGINEERINGのブース前にて、木村さんとムーンのシゲさんで記念撮影。左下はKUTTYの1999EVOチョッパー。
BORN FREE 3のベストマシン、61アーリー(左上)にMARK DREWSの1939 U(右上)、SALINAS BOYSのCJ360(右下)。左下はコールとジェフ。
宮城県のASTERISK星川さんが手掛けた渾身のマシン。EVOスポーツベースのレーサーカスタムに、ショベルベースのダートカスタム。
ホットチョップのアーリーチョッパー。エグリタンクにポリスタイプのオイルタンク、ステー1本にまで拘り抜かれたブランニュー。
鋳物のマフラーエンドに非対称のタンクカバー、そしてジョッキーシフトの上部にキルスイッチが仕込まれているという懲りよう。
MC DENの新作ナックルヘッド。ガーターフォークを使ったオールドスクールなフォルムながらも、要所にハイエンドパーツを散りばめバランス取りされている。
バッドランドが手掛けた2010ロードグライドバガー。フロントにPM製の大径23インチホイールを装着したメガクルーザーである。
ツインカムモーターを搭載したバッドランドのハイエンドカスタム。パテを一切使用しない鈑金技術の高さから、未完成ながらも完成の姿に期待が膨らむ。
BREEZEが持ち込んだディガーライクのパンヘッド。コフィンタンクにエッジの効いたハンドルバー、カチ上げられたマフラーとLキャブにも注目したい。
BUDLOTUSのブランニューカスタム。凝りに凝ったパンヘッドチョッパーである。4速フレームを使ったタイトなスタイリングに同店の拘りを感じる。
青森県のBUFFALO CHIPが手掛けたロングフォークチョッパー。均整の取れた美しいスタイリングには不変の美が宿っている。
アイコンであるフリスコチョッパーをメインに今期4台の車両を展示したコズミック。走るチョッパーが同店の神髄である。
埼玉県のニューショップ、CYCLE WESTが手掛けたナックルヘッド。シートはアトリエチェリー、カスタムペイントはシェイキン清水が担当している。
福島県いわき市のDICE MOTORCYCLESが展示したパンヘッド。スポーツスタータンクにサイクルフェンダーが取り付けられた定番スタイルにフィニッシュ。
HAWG HOLICが持ち込んだマニアックなナックルチッパー。モールディングフレームにスポーツスタータンク、四本出しマフラーに絶句!
カチ上げられた四本出しのマフラーにダブルのシッシーバー、ループ状のフェンダーエンドが見せ場となるHAWG HOLICのナックルヘッド。
CHABOTT ENGINEERING SHINYA KIMURA’S PICKを受賞したバーバーサイクル。ボードトラックレーサーモチーフの車両で見事に木村さんのハートを掴んだ。
GRASS HOPPER MOTOR CYCLEの1924JD。なんと20年代のJDを大胆にもチョッパー化。真っ赤にペイントされたシリンダー&ヘッドが強烈!
green のパンヘッドチョッパー。同店特有の丁寧な作り込みが見て取れるマシンである。ショートシッシーバーのフォルムに注目だ。
IRONSが持ち込んだ1973 FX。フォークスライダーにクランクケース、ロッカーカバーをブラスト処理し、トーンを統一。ハンドル形状もポイントだ。
JANUS MINDのブースに展示されたEVOチョッパー。モールディングが施された骨格にエクステリアを彩るブルーフレークのカスタムペイントが個性を主張。
恒例のPINSTRIPE GATHERINGにてシェイキンブースを突撃。お色直しされたデュオに、シェイキンによりフレイムスが描かれたミニカーを手に満足顔のHULK jr.。
PINSTRIPE GATHERINGに参加した豪華アーティスト。ワイルドマンに中沢ヨシオさん、M&KのマコトさんにKEN THE FLATTOP。
JENE CHOPPERSのフラッティー。シックなグロスブラックに身を包んだエレガントなマシンである。ウルトラナローフォークを筆頭にディテイルも抜かりなし。
山梨県甲府のKARUGA SHOTENが手掛けたショベルヘッド。もちろん零戦がイメージソースである。メーターダッシュがまさに戦闘機という出来。
ONE LOWが製作したこちらのナックルヘッド。徹底的に贅肉が削ぎ落された究極のチョッパーである。このスーパーナローフォルムが最大の見所。
レンガが敷き詰められたナイスのブースにはショベルの腰上が組み込まれた1946ELと1936ELが展示された。このブースは会場内でも最強。
LYNCHの36エンブレムが取り付けられたボヘミアンの1936EL。SHAWN DONAHUE’S PICKとHBJ’S PICKを見事にダブル受賞。
今期8台ものEVOスポーツスターカスタムを持ち込んだHIDE MOTORCYCLE。シンプルではあるが、ブースの作り込みにも余念のない常連ショップ。
EVOスポーツをベースとした等身大のカスタムマシン8台を展示したビルダーHIDE。詳しくは彼のコラムをご覧あれ!
今期のBEST HARLEY-DAVIDSON&LUCAS JOYNER’S PICKを獲得したDUAS CARASのONE SIDE KNUCKLE。なんとシングル化されたナックルを搭載。
リアバンクのシリンダー&ヘッドが取り除かれてシングル化されたONE SIDE KNUCKLE。4速ミッションがその空いたスペースにインストールされている。
そのためプライマリーはご覧のような角度となる。一見するとエンジンが前に傾いているかのように見受けられる。フレームはリジッドである。
ナックルヘッドのシングル化というエキセントリックな車両であるが始動性はすこぶる良好、そして普通に走る。藤井さん、アワードおめでとうございます。