新作のチョッパー2台を含め、ボヘミアン岡田が持ち込んだのは近年の代表作と言える10台の車両。ではじっくりとそのすべてをご覧あれ!
神戸を拠点に活躍する型破りなパフォーマンスで知られる現代美術作家、榎忠氏の特別展が兵庫県立美術館にて10月12日(水)から11月27日(日)まで開催されている。”美術館を野生化する” というラジカルなテーマを打ち立て、その関連イベントとして10月21日(金)から10月23日(日)までの3日間、”For the 1%er”と題し、エースモーターサイクルとナイス!モータサイクルが手掛けたチョッパー22台が展示された。チョッパーを美術館に展示するという前代未聞の試みである。今回は完全版としてナイスボヘミアン岡田が手掛けた10台を紹介。エース編を含めて、これで出展された22台のチョッパーをフルコンプリート!
まさか、格式高い美術館でハーレーのチョッパーが展示されるなんて……。すべては型破りな現代美術作家、榎忠氏の計らいから生まれたというわけだ。
希少なナックルヘッドのファーストイヤーモデル1936年式ELも、ボヘミアンの手に掛かればご覧のようなB級チョッパーに姿を変える
フレームを含め、淡いピンクにペイントされたオールドタンク。ヘッドにこびり付いたサビや、剥き出しのギアがハードなコントロール類。
1942FLナックルヘッドをベースにシンプルなバーホッパーに仕上げられた一台。しかしシートやハンドルバーなどにボヘミアン流の拘りを投影。
ワイドグライドのブラックインナーフォークが象徴的な1944FLナックルチョッパー。アウトローバイカー御用達のディテイルを備えている。
新作となる1946ELナックルをベースにショベルの腰上がインストールされた車両。80年代を意識して製作されたボヘミアンの意欲作である。
1946ELにはボヘミアンのフェイバリットと言えるリバティータンクが取り付けられている。その他、フレームの緻密なピンラインも見逃せないディテイル。
ナックルヘッドのラストイヤーモデル、1947ELベースのチョッパー。天を貫くシッシーバーがポイントであるが、拘りはエンジンコンディションだ。
ナイスの代表作、1947FLナックルチョッパーも展示された。ボヘミアンが提唱するB級テイストが炸裂するスパイダーペイントが秀逸である。
1947FLのロッカーには、オーナー自らがデザインを起こしたモチーフが彫金されている。こんな遊び心こそが、ボヘミアンの神髄と言える。
お馴染みボヘミアンの愛機、1949FLチョッパー。リジッドフォークにスーサイドセッティングというまさに男のノリモノ。モールディングタンクに絶句!
ドリルドが施された二段ハンドルには、同じモチーフのナイスオリジナル、パンチンググリップが取り付けられている。このヤレ具合に族族するわけだ。
モールディングが施されたレモンイエローのフレームがポイントの1949FL。メインチューブ上に極限までハイマウントされたタンクも個性的。
パンヘッドの後期モデルである1959年式のFLをベースに製作されたチョッパー。シートやマフラーの経年劣化が迫力あふれるマシンである。
For the 1%erの開催中は小さな子供を連れた家族も多数来場していた。カスタムショーとはまた違った雰囲気の会場に子供たちのテンションも上がり気味。
このFor the 1%erのために製作されたオリジナルTシャツ。写真の背中は主催者の榎忠氏であり、氏自らがこのTシャツを着てショーをバックアップ。
この展示会の目玉である1947FLのリアルドラッグレーサー「BLACK KNIGHT」。静まり帰った美術館に、このレーサーが佇む姿は圧巻ですらある。
かのトム・シフトンが手掛けたナックルヘッド。極限まで削り落とされたロッカーカバー、オイルレスで剥き出しのロッカーアームなど妖艶な雰囲気を醸す。
マグネシウム製リンカートスタイルキャブ2機掛けの迫力たるや! ロングカールの1mm厚ベロシティスタックからも、そのパフォーマンスが窺い知れる。
無骨極まりないリア社製メカニカルフューエルポンプに、クロノグラフタイプの燃圧プレッシャーゲージなどリアルドラッグレーサーならではのディテイル。
For the 1%erのイベント告知やポップの製作に尽力していたボヘミアン岡田。このイベントにかける並々ならぬ熱意を感じずにはいられない。
取材協力
Ace Motorcycle
住所/神戸市中央区元町高架通3-202
電話/078-855-9500
住所/神戸市中央区琴ノ緒町1-6-7
電話/078-272-0999