ニューモデルラッシュが続きにわかに活況を呈してきた2018年の国内モーターシーン。インプレをまとめて読んで、次の新車購入の参考にしたい!」そんな読者の声に直球で応え、国内外のニューモデルを取り揃えて「気になるアイツはこんなヤツ!」と言い切る試乗インプレ記事をズラリ掲載!
イヤーモデル(年次)制をとることで次々と新しいコンセプトの派生車種を増やし続けるアメリカ・ハーレーダビッドソン社。アイアンやローライダー、ファットボブなど、その中からとくに目立った最新4モデルをピックアップ!
4カム空冷Vツインはドコドコとした鼓動感を強調したものではなく、ほどよく粒の揃ったスムーズさがあり、低回転域から必要十分なトルクを発揮し扱いやすい。リア荷重で乗る車体のディメンションによって、スロットル操作にも神経質さがないのだ。
コーナーにさしかかれば狙ったラインをスムーズにトレースするニュートラルなハンドリングがあり、ワインディングでは車体を右へ左へフルバンクさせて夢中になってしまう乗り手の自分がいて、フラットトラックレーサーのDNAを感じてしまう。遅い、古臭い、と悪口も聞くけれど、技量を問わずどんな乗り方をしても乗り手に従順で扱いやすい……これが多くのバイク乗りを魅了する理由なのだ。
SPEC/1,202cc 256kg 136万6,000円
ツインショックがなくなっている外観に、昔ながらのスタイルが好きな人はきっと困惑しているだろう。シャシーは完全新設計のニューソフテイルフレームで、シート下にモノショックを備え、フロントサスペンションはショーワ製のデュアルベンディングバルブフォークにグレードアップ。
総じて走りのポテンシャルを向上させているのである。第一印象では昔のローライダーがいいと思ったが、運動性能が高まったことを実感すると、その考えは変わった。そもそもローライダーは走りにこだわったスポーティモデルのはず。過去にこだわらず、現代的なライディング性能を優先したことはローライダーらしくもあり、英断でもあるのだ。
SPEC/1,745cc 300kg 199万円
前後16インチの足まわりを持つファットボブは、ソフテイル系で唯一の倒立フォークやダブルディスクブレーキを備え、シリーズ全8機種中もっともスポーティな味付けだ。
従来型では大きな段差を乗り上げるたびに突き上げを食らっていたが、新型ではリアショックが衝撃を確実に吸収する。つまり後輪は絶えずドッシリとした接地感があるので、車体を寝かし込んだ状態からでもスロットルオープンに躊躇う必要がない……というわけだ。
路面追従性に優れる前後サスはコーナーで負荷が強くかかったときにはストロークの奥でしっかりと踏ん張りが効く。ビッグツインでスポーティに走りたい。そんな声に本気で応えたのがこのファットボブだ。
SPEC/1,745cc 306kg 218万8,000円
2013年にデビューしたSOHC水冷60度Vツイン搭載の「ストリート750」。その第二弾がストリートロッドだ。ストリート750ではクルーザー然としていた車体だったが、飛躍的にスポーティ路線に舵を切っている。
前後17インチのアルミキャストホイールにラジアルタイヤを履かせ、倒立フォークとリザーバータンク付きのリアショックを装備しているのだ。キャスターは32度から27度まで起こされ、ホイールベースは10mm短縮。
ニーグリップもできるし、ステップ位置も後方内側になったのでバンク角も稼げた。それはつまり、日本のネイキッドスポーツに近いディメンションを手に入れているということなのだ。ハーレーの新しいチャレンジである。
SPEC/749cc 238kg 107万円