今回のテーマはメーター。見た目の雰囲気を大きく左右するパーツではないが、メーターのような細部のパーツまでこだわることで、カスタムの完成度はグッと引き締まる。また走行中に頻繁に目を向ける部分であるため、乗り手の満足感にも大きく影響する。ただし、メーターのカスタムは、社外メーターに交換するだけが手ではない。ノーマルメーターをうまく活かす手法もある。取り付け位置を変更するだけでも見た目は大きく変わるし、タコメーターなどを追加し、あえて重厚感を出すという手もある。それでは、スポーツスターのメーターについてご紹介しよう。
スタイルによってはノーマルメーターもよく似合う
スポーツスターの純正メーターは1994年式までが機械式、それ以降のモデルには電気式メーターが採用されている。1995年式以降は電気式が採用されているが、1999年式までのモデルの場合、フロントのディスクローターには機械式メーターのドライブユニットを挿す穴が開いており、簡単に機械式メーターに交換することができる。一方、2000年式以降のモデルでは、機械式メーターのドライブユニットをポン付けできないため、ホイールとディスクローターを1999年式以前のものに交換するなど、コストがかかってしまう。ただ、今ではかなりの数の電気式メーターが販売されているので、2000年式以降のオーナーがメーターを社外のものに交換するなら、電気式メーターを採用するのが一般的だ。
次に純正スピードメーターの年式による互換性について。電気式メーターは1995~2003年式と2004年式以降で互換性が分かれている。ラバーマウントエンジンが採用された2004年式以降ではピックアップセンサーや各種モジュールが変更されており、見た目には大きな差はないものの、2003年までと2004年以降のスピードメーターに互換性はない。その違いは、メーター中央部にある「エンジンチェックランプ」の有無で確認できる。チェックランプが採用されているのが’04年以降だ。2004年以降のメーターは「km/h」の表示がメーター中央の上部に表示されていることからも区別できる。タコメーターに関しても、2003年式までのモデルと以降では回転数の信号を取り出す場所が違うため、純正・社外パーツともに互換性はない。なお、2007年式から全車インジェクション化されたが、スピード、タコメーターともに、キャブレターモデルもインジェクションモデルも共通のモノを採用している。
ちなみに、メーターは2003年までと2004年以降で互換性はないが、メーターブラケットは互換性があり、中古パーツの購入時には覚えておいて損はないだろう。
年式により、どのような違いがあるのかは理解いただけたかと思う。それでは、ハーレー用のリプレイスメーターを開発するメーカーを紹介しよう。機械式メーターに関しては汎用品の種類が多いため、ここでは割愛する。なお、スピードメーターを社外のものに交換するとウィンカーのオートキャンセルや純正イモビライザーなどは使用できなくなるので、そこは予め覚悟して欲しい。
手ごろな値段とコンパクトなサイズから、スポーツスターのメーターカスタムでは人気のメーカー。スピード、タコメーターともに2003年以前、2004年以降ともに対応した商品がある。
2003年モデルまでのユーザーに対応した低価格なスピード、タコメーターをラインナップに持つ。各種ケーブルもあわせて購入できるのが有難い。
近年じわじわと人気が高まっているドイツ生まれの多機能メーター。一般のメーターの何倍もの価格となっているが、造り込みの丁寧さや多機能さは多メーカーと一線を画す。
カスタムクロームなどで入手可能な、アメリカ製メーター。個性的なスタイルから、どのようなカスタム車両にも合わせることはできないが、ハイテク系カスタムにはベストフィット。
二輪以外の世界でも名を馳せるメーカー。個性的なタコメーターを多くラインナップし、メーターにまでこだわってカスタムするショップからの評価も高い。
上記で紹介したメーカー以外にも、汎用品やデッドストックパーツも含めれば選択できるメーカーはまだまだあり、メーターの取り付け位置をどこにするのかで車両の雰囲気も大きく違ってくる。そこで、実際のスポーツスターオーナーがメーターをどのように取り付けているのか、を紹介しよう。スピード、タコメーターだけではなく、電圧計やETCアンテナなどもハンドル周りに装備しているユーザーもおり、カスタム時の参考になるだろう。