マニュアルでは、「12ヶ月(8,000km)毎に点検し、必要ならば取替え、また全車種とも、24ヶ月(16,000km)毎に交換して下さい」となっています。プラグは、エンジン燃焼室内で圧縮された混合気に、電気火花を飛ばして爆発させる、エンジンにとってとても重要なパーツです。一般的に、車両に搭載されているバッテリーは12ボルトの電圧ですが、イグニッションコイルの働きにより、スパーグプラグには20,000ボルト以上の高電圧が加えられ、火花を飛ばしています。そして、プラグはエンジンのバロメーターでもあります。メカニックはエンジンのトラブルの時、プラグを見ることにより、調子の良し悪しについて、かなりのことがわかります。乗り方やエンジンの調子など、1本のプラグはいろいろなことを教えてくれます。正常な爆発にとって、とても大切な部品です。
プラグは世界規格のため、他メーカーのものでもサイズはあいますが、ハーレーダビッドソンでは、プラグもそれぞれのエンジン特性にあったものが開発され、メーカーよりでています。プラグの性能自体は、他メーカーの良いプラグもたくさんありますが、ハーレーダビッドソンのプラグは、そのエンジンに適した意味と理由があります。お使いになるのは、自分の大切なハーレーダビッドソンにベストマッチしたものがいいと思います。もちろん標準プラグ以外にもゴールドプラグやV-プラグなど、ランクの上のプラグもハーレーダビッドソンよりでています。
エンジントラブルと思われる時、プラグをはずして簡単なチェックができます。
混合気過多。始動時アクセルあおり過ぎ(加速ポンプのため)、過度にアクセル開けすぎ。ミスファイヤー、点火系のトラブル、キック車(キックするたびに開けている)など。
オイル上がり、下がり、オーバーヒート後(エアクリーナーがオイル含む)。
チョークの使いすぎ(冬場でも5分位)。キャブ自体の混合気セッティング不良、点火系など。
今は完全燃焼させて環境に対応しているので、最近のモデルではこれが正常。
年式 | プラグ名称 | 部品番号 | 価格 |
---|---|---|---|
1948~1974年 | 3 | 32303-47A | 570×2本 |
1948~1974年 | 3-4 | 32301-60 | 570×2本 |
1948~1974年 | 4R | 31629-78 | 640×2本 |
1975~1982年 | 5R6A | 32342-04 | 750×1本 |
1983~1984年 | 5RL | 32312-78A | 640×2本 |
1983~1984年 | 5R6A | 32342-04 | 750×1本 |
エボビッグツイン | 5R6A | 32342-04 | 750×1本 |
エボスポーツスター | 6R12 | 32362-04 | 750×1本 |
ツインカム88 | 6R12 | 32362-04 | 750×1本 |
V-ROD | 10R12A | 27671-01K | 640×2本 |
チェックした後、はずしたプラグはきれいなワイヤーブラシでブラッシングして、クリーンな状態で取り付けてください。オイルやガソリンの付着したままだと点火しません。かぶっていたり、真っ黒だったりして、調子が悪ければ取り替えます。それでもしばらく乗って同じなら、メカニックに相談してください。ハーレーダビッドソンのプラグはエボリューション以降のモデルではそれぞれの車種で標準は1種類です。熱価の上とか下の番号はありません。プラグが何度も同じ状態になるのであれば、プラグではなく、何か他の原因があると思えます(48~78年までのハーレーダビッドソンは上、下の番号の物はあります)。
昔は誰かが持っていて、トラブルの時はすごく助かりました。しかし最近では、そういうケースはほとんどなくなりました。そして何年も使われず、車検のときに交換しようと、工具袋から出てきた予備プラグ、新品だった箱はボロボロ。中を開けると錆びていたりします。もったいないですから、こうなるまえに早めに取り替えてください。取り替えた古いプラグで十分予備プラグになります。
ショベルヘッド、パンヘッドの48~74年型はプラグのリーチが短くなっています。自分のハーレーの年式がわからなければ、ヘッドのネジ山を見ればわかります。そのまま長いリーチのプラグを使うと、異常爆発の原因となります。私も74年式のスーパーグライドに乗っていた時は、プラグを探すのに苦労しました。今はこの番号で、ディーラーで買えると思います。プラグを変えても速くはなりません(最高速度)。しかし、調子はすごく良くなります。愛車(中古車)を手に入れたら、まずプラグを見てください。ただし、取り付けの時、ネジ山を壊さないようにしてください。乗れなくなります。