幼い頃に強烈に憧れたモノというのは、齢を重ねても脳裏に強く残っているもの。そして、その対象が身内ならば尚更だ。
Nagisaさんが小学生になった頃に、彼女のお母さん、ミワさんはハーレー乗りになった。彼女の家はもともとバイク乗りが多い家系で、叔父さんがネイキッドバイクに乗っていたり従兄弟がSSに乗っていたりと、バイクに触れる機会は少なくなかったと言う。そんな中でも、ハーレーに乗る母親の姿が最も印象に残っていると彼女は語る。
「初めて母がバイクに乗っている姿を見たのは、バイクでツーリングから帰ってくるところでした。その姿がカッコよくて。そこから私もハーレーが好きになったんです」
18歳になり、Nagisaさんは免許を取得したのと同時にハーレーを探し始めた。周りのバイク乗りからは、最初は中型バイクに乗って、慣れてからハーレーに乗る事を勧められた。だけど彼女にその選択肢はなかったようだ。そこには母からの、「最初から乗りたいバイクに乗っちゃえばいいじゃない。『安物買いの銭失い』にならないようにね」というアドバイスが大きく影響していた。こうしてソフテイルを購入し、車格に慣れるため2か月ほどノーマルで乗った後に、念願のカスタムに着手。大好きだという紫色を、ペイントやピンストライプに盛り込んで完成したのがこの一台だ。
今年の4月26日。九州最大のカスタムショーF.T.W.showにNagisaさんのバイクはエントリーされ、見事にアワード“Spunky Girl”を受賞した。そして実は、彼女にとってはこの日が念願の納車日だったのだ。当日の撮影では少しだけ緊張した表情のNagisaさんだったが、危なげなくこのアワードバイクを乗りこなし、ミワさんと共に帰途に就く姿が強く印象に残っている。
理想のバイクが仕上がり、大満足のNagisaさん。時にはソロで、時にはミワさんと一緒に自慢の愛車で走る日々を楽しんでいるようだ。