神奈川県厚木市のグリル&バー“リックス”はバイカーが集う店だ。お店は夫婦で切り盛りしていて、ご主人も1938年のサイドバルブを所有している。ウッドデッキには奥さんのヤレた雰囲気のショベルがマッチし、店内にある薪ストーブの暖かさと柔らかな灯りが心地いい。そんな場所でお客さんを笑顔で迎えてくれるのが、ここで紹介するさちえさんだ。ヴィンテージヘルメットを被り、ブラックでまとめたコーディネイトは何年もバイクに乗ってきたかの雰囲気を漂わせているものの、実際はまだ5年目だという。
「よくお店でお客さんと行くツーリングを企画していたんです。その時は私はまだバイクの免許を持っていなくて、旦那さんの後ろに乗せてもらっていたんです。置いてけぼりになるのもあったりして、私も一緒に走りたいと思ったのがバイクに乗るきっかけでした」
最初からハーレーに乗りたいと心に決めていた彼女は、中型免許を取得するのと同じくらいに大型免許を取得。しかし、いきなり大型を運転させるのに不安を覚えたご主人は、所有していた250ccのオフロード車を彼女に乗せ、河原でよく練習させたのだとか。そのご主人の愛情溢れた特訓の成果もあって、いざハーレーを所有してからは多くの仲間と安心して走ることが出来るように。ちなみに現在のショベルを選んだ理由というのは、旧いスタイルが好きなのと自分が乗ることのできるサイズ感だったから、とのこと。
お店を経営しているのもあって、頻繁に走りに行くことは難しいが、時間ができたらご主人と2人で走ることも少なくない。
「もともとサーフィンをやっていたので、海が好きなんです。というより自然が大好き。だから走りに行く場所はそんな所を目指すことが多いですかね」
彼女がバイクに乗り始めてからというもの、お店にも女性バイカーが増えた。同じバイクに乗る者同士ということもあり、交友関係に広がりが出来ているのを実感する毎日。今後もますますそんな関係が広がっていきそうだ。