重厚なVツインサウンドを街に響かせ、肌を全面に露出した装いで颯爽とアヤノさんは現れた。単車から下りると、重量のあるビッグツインを軽々と扱い、ジメジメとした空気を一瞬で消し去るかの笑顔が彼女の表情に溢れた。
今でこそ楽々と愛車を乗りこなしているが、ここまでの道のりはやはり大変だったそうだ。「バイクに乗りたい! そう思って原付にも乗ったことがないのに、いきなり大型が欲しくなったんです。さっそく教習所に通い出したんですが案の定コケてばかりの毎日で、両親からも反対されたんです。でも逆に、絶対に免許を取ってやる! そう思うのと同時に、一番大きいハーレーに乗ってやると決心して頑張ったんですよ(笑)」
そんな負けん気の強い、元気な彼女はご主人が経営する飲食店で看板娘として接客を担当している。
「毎日色んなお客さんと接して、色んな話しが出来るんで楽しくてしょうがないです。バイク乗りのお客さんも多くて、気がつけばバイクの話しでついつい長くなっちゃうことも」
9月には、めでたく結婚式を控える彼女。式にはご主人と自身の愛車を並べて、式の終わりにはウェディング・カーならぬウエディング・ハーレーで互いに走って出ていく予定なのだとか。
「女の子なら普通男の人の後ろに乗って、っていう考えではなくて、カッコいい結婚式にしたいんです。しかも、旦那より速く走ってしまおうかと(笑)」
バイクをこよなく愛する彼女。将来は子供を含めた家族で、各自愛車に跨ってファミリーツーリングをするのが夢だと話してくれた。