花便りが一段とにぎやかな季節、満開の桜が春の到来を告げる。バイク乗りにとっては暑くもなく、寒くもない最高のシーズンがやってきた。
撮影スポットの公園には桜が咲き乱れ、日曜日ということもあってかそこは花見を楽しむ人でごった返していた。そんな中、心地良いVツインサウンドを奏でながら現れたのがSAYAさんだ。学生の頃はリアシート、後部座席専門だったそうだが、タンデムでバイクの気持ち良さを知り、気付けば免許を取得。あっという間に現在の愛車を手に入れることになる。そしてそれは、周りの友人も驚くほどの早さだったと言う。
「タンデムシートに乗って、学生の頃は色んな所へ連れて行ってもらってました。そこで、車では感じることが出来ない季節の匂いだったり、ちょっと田舎に入った瞬間の肌寒さ。ジリジリ熱さが伝わってくるアスファルトとか、バイクそのものもカッコイイんですけど、体全体でいろんなことを感じれるのが本当に幸せでした。そして今では、昔の後ろ専門から前専門に(笑)。運転専門になりました!」
彼女が初めて手にしたバイクは、このハーレーダビッドソンのスポーツスター。それを聞いて驚いてしまうが、当初はビッグツインが欲しかったそうだ。しかし体格的に厳しいと判断して、スポーツスターをビッグツインのように大きくカッコ良くしようと決めて、インディゴカスタムサイクルへと製作を依頼した。
「今っぽい? 感じだけど、長くも乗れるスタンダードなスタイルにインディゴさんで仕上げてもらったんですよ」
春爛漫の桜のもと撮影を終えると、天気が良いので海まで流すとにこやかに話した彼女。新調したてのヘルメットを被り、心地良いエキゾーストサウンドを響かせながら、彼女は颯爽と桜舞うこの道を走り去っていった。