大学を卒業する前に「何かやり残したことはないか?」と思い、出た答えがバイクでした。父や兄がバイクに乗っていて私も小さい頃からバイクに興味があったんですが、理想の女の子像を持つ母からずっと反対されていて。だからバイクを買ったのも母にはナイショでした。
人生初バイクはホンダ CB400SS。ヤマハSR400に憧れていたんですが、「キックが重すぎてお前には無理だ」と父に言われ、それで当時デビューしたばかりのCB400SSにしたんです。4年後にはカワサキDトラッカーに乗り換えたんですが、一人暮らしをするタイミングになったことから1年弱ほどで下取りしてもらい、そこから5年ほどバイクから離れて自転車ライフを楽しみました。
すっかりバイクのない生活を送っていたんですが、たまたま通りかかったハーレーダビッドソン亀戸に何の気なく立ち寄って、そこに展示されていたスポーツスター・フォーティーエイトに一目惚れ。身長156cmの私だとフォワードコントロールステップは届かないって思っていたんですが、ミッドコントロールステップにカスタムされていたこのフォーティーエイトの安心感が決め手になり、即決で購入しちゃいました。
フォーティーエイトはいろいろカスタムしました。それこそフロントホイールを19インチ化したり……もうフォーティーエイトじゃないですよね(笑)。そうなっていったのも、増えてきたハーレー友達の愛車と比較して「どうしてみんなのバイクってスタイリッシュでカッコよく見えるんだろう?」って思うようになったから。
出てきた答えが「リアが18インチ化されたリジッドスポーツスターへの乗り換え」でした。どこかは言えませんが、センスのいいカスタムで有名な某ハーレーディーラーの店長さんからも「フォーティーエイトをカスタムしていくぐらいなら、リジッドスポーツに乗り換えた方がいいよ」とも言われまして。そこで、知り合いを通じて「SURE SHOT」(千葉・八街)を紹介してもらったんです。
「こんな車両を探しています」とシュアショット代表の相川拓也さんに希望を伝えたところ、師弟関係だという「INFINITY」(埼玉・所沢)のインスタグラムに「希望にぴったりのスポーツスターがあがっているよ」と教えられ、早速現車を見に行ったんです。で、本当に理想どおりだったのでここでも即決、乗り換えました。
8割ほどは今と変わらない姿で、「ハンドル周りをスッキリさせたい」「クラシカルなスタイルにまとめたい」と、いくつか自分が希望するカスタムメニューを取り入れてもらいました。納車から半年強、あと何ヶ所かカスタムしたいところはありますけど、基本的なスタイルは今のままで十分。どこに出しても恥ずかしくないコです。
友人からのプレゼントだというビンテージのヘッドライトバイザーとライザーがコックピットの雰囲気を高める。ここだけ見るとまるでショベルスポーツだ。
「とにかくコックピットはコンパクトにしたかったんです」と、ビンテージカスタムの定番でもあるグリメカ製マスターシリンダーを導入。グリップは大神戸共栄圏のワッフルグリップだ。
Vチェッカーデザインで彩られたピーナッツタンクは購入時からマウントされていた。お気に入りのデザインなのでここを変える気はないそう。
神戸のカスタムショップ Nice! Motorcycleのスリムシートをチョイス。狙ったスタイルに似合うシルエットを演出する。
キャブレターには純正のCVキャブを、そして砂型鋳造パーツメーカー FORK のラウンドエアクリーナーカバーを組み合わせる。
ノーマルだったマフラーを EAST URBAN Custom CyclesのKRドラッグパイプに交換。
デュオテールランプを取り入れてさりげなくリアエンドをクラシカルに演出。
自身のインスタグラムアカウント「littlepomester」のオリジナルステッカーも。このSNSを縁に、ハーレー乗りの友達も増えていっているそうだ。
自分のなかでひとつ決めていることがあるんです。それは「クルマは買わない」。クルマも大好きだしあれば便利なんですけど、乗るものを増やしちゃうとこのコ(スポーツスター)に乗る時間が半減しちゃうじゃないですか。それぐらい、ずっとずっと乗っていたいんです。
近所でも長距離でも、何にでも乗っていっちゃっています。最近は大阪のスポーツスター友達と会うために中間地点の愛知までしょっちゅう走っていったり。愛犬がいるんで泊まりでは出かけられませんが、今はこの遊び方が楽しくて楽しくて。
ラバーマウントスポーツスターからの乗り換えで気にしていたのが、高速巡航性能が劣ることでした。でも、実際に乗ってみるとまったくと言っていいほど気になりません。多分楽しんでいる気持ちが上回っているからなのか?今では月4回以上は乗っています。そう、毎週末です(笑)。友達と一緒に走るのも楽しいし、ひとりでふらっと乗るのも好きなんです。改めて”オートバイに乗る楽しさ”を味わえている思いですね。
東京・杉並のビンテージヘルメット専門店 HELLMART で手に入れたBUCOのジェットヘルメットと、東京・目黒にショップを構えるクラシカルなライドギアブランド BLUCO のシェードを愛用。ヘルメットのステッカーは練馬の INU CHOPPER のもの。
クラシカルなアメカジスタイルをコンセプトとするブランド HEAD LIGHT のデニムジャケットもお気に入りの一着。インナーは BLUCO のサーマル(グレー)。
ビンテージバイカー御用達と言っていい東京・渋谷のブランド TROPHY CLOTHING の 1806N W KNEE STANDARD NATURALLY DUCK をチョイス。
ここまで揃うともはやフルコースか……ショルダーバッグは Langlitz Leathers の Inside Pocket Waist Bag。