神奈川・横浜のマイパフォーマンスは様々なハーレーを販売している。ノーマルも数多いが、マイパフォーマンスオリジナルのチョッパーやアメリカから輸入されたカスタムバイクなど、それぞれ個性的なハーレーをラインナップしているのだ。
二人は、チョッパーに乗る。どちらも昨年、このマイパフォーマンスで購入したカスタムバイクである。西津さんの愛車は、現在ロサンジェルスに本拠地を置くチカ・カスタムサイクルズの作品。繊細なボディワークは独特のデザインである。そして熊木さんの愛車もまた、ロングフォークのスプリンガーが特徴のエボリューションチョッパーだ。
「実は、昔ソフテイルに乗っていたんだよね。仲間でクラブまで作って盛り上がっていたんだ。でも数年するとだんだん乗らなくなって、手放しちゃった。その後はジェットスキーで遊んでたな」
二人は中学生の頃からの知り合いである。幼なじみという間柄ではないらしいが、当時の少年野球チームの先輩を通じて知り合った。その後は何かと遊び友達で飲み友達。いわゆる「オレとオマエ」の仲なのだ。
「僕はしばらくこの横浜を出て東京で働いていたんだけど、帰ってきたらまた昔みたいになってきたんだ。ジェットスキーは今でもやるけど、大勢でバーベキューとかして盛り上がるのもけっこう大変でね。じゃぁバイクにまた乗ろうかなんてことになってきたんだよね」という西津さん。実はこのチカスペシャルを勢いで購入してから、大型二輪免許を習得したと笑う。熊木さんはその時、すでにチョッパーに乗っていて、彼が西津さんをショップに連れてきたのだ。
「いつも、きっかけをくれるのは熊木なんですよ。遊びの先生だね」
「でも、はまっちゃうのは西津だな。バイクだって、今は西津のほうが断然たくさん乗ってるもんな」
二人は本当に楽しそうだ。お互い、気のおけないダチなのである。地元の友達。それがとてもいいのだ。
「地元愛が強いんだよね。横浜鶴見の特徴なのかな。ガキのころからずっと知っている仲間がいっぱいいるよね」
何だかフランクで居心地の良い空気を醸し出す二人に、ロングフォークのチョッパーは良く似合う。撮影当日は冬から春へと季節が変わる妙な一日で、天候が目まぐるしく変化した。晴れているかと思ったら、突然大雨。みぞれまで降ってくる凄まじさだ。そんな中をチョッパーで走ってもらったが、二人共ずぶ濡れになりながらも大笑い。しかし最後は、見とれるような夕焼けにあたりは包まれた。
撮影を終えて立ち去っていく2台のチョッパー。その後ろ姿は、二人の奔放な生き様を象徴的に表していた。