VIRGIN HARLEY |  大口 常男(2011 FLHTCUSE6 w/Sidecar)インタビュー

大口 常男(2011 FLHTCUSE6 w/Sidecar)

ハーレーインタビューの画像

79歳で初めてのハーレー
アコーディオンが趣味の85歳

河口湖畔にお住まいの大口常男さんは現在85歳である。元気にサイドカーをライディングするそのお姿からはとても年齢を想像できない若々しさだが、その健康の秘訣はどこにあるのだろう。

「一生懸命に仕事して生きてきただけですよ。妻と一緒にね。気がついたらお爺ちゃんになっているから、まるで浦島太郎みたいですなぁ。あっはっは」

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大きな声で笑いながら、大口さんはそんな風に話す。出身は北海道で、若い頃は森林の伐採が仕事だったという。戦後少し経ってアメリカからチェーンソーを導入したが、誰もメンテナンスができない。器用だった大口さんは、徹底的に分解して、サービスマニュアルを作成。戦後の復興期に本が出版され、おおいに役立ったという功労者でもある。

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その後は、家族で横浜に出て電設会社を運営した。現在は社長職を息子さんに譲り、悠々自適な毎日である。

「ハーレーに乗り出したのは79歳からですよ。それまでバイクにもあまり乗ったことがなかったが、ハーレーには乗りたいと思っていてね。歳も歳だからサイドカーにしたんだよ。これなら誰かに助けてもらわなくても運転できるでしょ」

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ディーラーに行くと、2010年モデルをさっそく購入。しかし、ほどなく都内の大渋滞でオーバーヒートを起こし、修理することになった。

「乗り回していたら何だか調子悪くなってしまってね。修理に時間がかかるって言うから。もう1台買ってしまったんです。それがこのバイクですよ」

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スタンダードのサイドカーは販売終了していたため、急遽ウルトラのCVOをベースにハーレー中野が製作したスペシャルとなったのが大口さんの愛車である。カーが車体の左側に装着されているのは、左側通行を考慮した仕様だからなのだ。そして、修理が完了した最初のサイドカーは、古い友人にプレゼントしてしまったというから、さらに驚いた。

「やっぱりCVOの方がパワーあるからね。僕のは、これ1台あればいいよ」

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なんとも太っ腹な大口さんだが、その生き方のポリシーは、「みんな幸せで、楽しければ良い」ということに他ならない。

河口湖畔でも大口さんは人気者だ。近所に住む人々や昼食をよく食べに行くというレストランのスタッフ、道で交通整理をしているガードマンの方からも手を振られる存在だった。なんと年間の走行距離は2万キロ。体調が良ければほぼ毎日サイドカーに乗って、趣味のアコーディオンを奏でるのが大好きなのである。

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「だって、私はまだ85歳ですよ。楽しいのは、まだまだこれからです」

大口さんは人生を楽しむ天才である。その人間味溢れる魅力には、周囲の人々も明るくするオーラがあった。

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