FXDR114最大の特徴は、この刺激的なスタイリングである。1,735mmというハーレーラインナップ中最長のホイールベース(ちなみにトライグライドウルトラの1,670mmより長い)が作り出す圧巻のフォルム。ハイトが抑えられたマッシブなフューエルタンクにシートカウルを思わせる思い切ったデザインのコンポジットソロシートテール、楕円ボディの異形LEDヘッドライト、大型エアインテークといい、何から何まで型破りなFXDR114。シートテールに至ってはリアのアクスルシャフトあたりまでの長さという超ショートタイプである。シートとサイドカバーとのマッチングも申し分なし。新進気鋭のカスタムビルダーがコンセプトマシンとして製作したかのような前衛的なスタイリングと言える。
ホイールサイズはF19/R18インチで、リアタイヤは240というワイドタイヤを装着。ホイールはアルミ製キャストホイールとされる。ブレーキはフロント固定4ピストンのダブルディスク、リアはフローティング2ピストン、フロントフォークは倒立タイプ、リアは新型のアルミ製スイングアームが採用されている。2-1-2マフラーも特徴的だ。マスの集中を狙ったトライオーバル型のサイレンサーはデザイン的なアクセントにもなっているが、レイク角を考慮して考えられたものである。
115年という長い歴史を持つハーレーダビッドソンだが、こんな刺激的なモデル、過去にあっただろうか? 公式リリースではドラッグレーサーにインスパイアされたパワークルーザーとあるが、FXDR114に試乗するまでの個人的な印象としては、このスタイリングからダートトラッカーのイメージが強かった。この手のマシンを手がけるのならスポーツスターファミリーが最適で、2011年モデルでラインナップから姿を消したXR1200の後継機としてデビューするべきなんじゃなかったのかと考えていた。実際に試乗するまでは……。