ならば肝心なのは走りだと思う。ツインショックの伝統的なフォルムを捨てるだけのことが、モノサス化した新設計ソフテイルフレームにあるのか否か。結論から言ってしまえば、ニューソフテイルのシャシーはかなりスポーティに走れる。剛性が上がっているのに大幅な軽量化も達成され、なによりもモノショックの動きが素晴らしくいい。
ツインショックを廃止したことでマスの集中化に大きく貢献するのは言うまでもないが、サスペンションの動きそのものを見てもストローク量に余裕があって路面追従性が高く、段差を乗り越えたときの衝撃もしっかり吸収してくれる。
リアからの情報量が多いから乗り手はトラクションを把握しやすく、コーナーで深くバンクさせた状態からでもアクセルをジワジワ開けていける。サスペンションに強い負荷がかかっても、ストロークの奥でしっかり踏ん張ってくれるから剛性の高いシャシーと上手くマッチしてかなり無理が効くのだ。
フロントサスペンションもツーリングファミリーと同じSHOWA製デュアルベンディングバルブフォークにグレードアップされ、乗り心地を向上。ワインディングがメインのテストコースだったが、ハイウェイをハイスピードで走行する区間もあり、そこでも余裕を持ってクルージングできた。
ミルウォーキーエイトエンジンはカウンターバランサーをデュアル化することで微振動が消され、リジッドマウントであるにも関わらず快適。プルバックハンドルは見た目こそ豪快だが、実際にグリップを握ると脇が若干締まって、ライディングポジションは小柄な人でも操れるよう考慮されている印象だった。