2本サスではないローライダー、これは衝撃的だ。77年から40年以上続く系譜を辿ってみても、メインフレームの変更はあったものの、ツインショックという部分は変えてこなかった。それを新作ソフテイルフレームとすることでモノショック化し、リアサスペンションがシート下に隠れて見えないフォルムとしたのだ。
賛否両論分かれるだろう。いや、ハーレーが好きな人の多くは新型に否定的な意見を言う気がするから「従来型の方がよかった」という意見が上回るのかもしれない。スタイルの良し悪しは個人の好みの話しだから、ここでは言及を避けるとして、進化という意味ではアリだと思う。
というのも、「ビッグツインでもスポーティな走りを楽しみたい」という要望から生まれたファクトリーカスタムが「FX」であり、その狙いを現代で満たすなら、モノショック化した最新式のメインフレームがあるなら、それを用いるのが筋ではないだろうか。エンジンも当然、もっともハイスペックなものに換装し、ローライダーが目指すべきスポーティなライディングを実現させるべきである。
そう考えると、少し残念なのがフロントブレーキが伝統的なダブルディスクではなくなってしまったことだろう。せっかく初代から続くアイコンたち、タンクオンのデュアルメーター、ヘッドライトバイザー、キャストホイール、ダブルシートなどを残すのだったら、ブレーキにもこだわって欲しかった。ただし実際に乗ってみると、フロントブレーキの制動力やタッチに不満は感じられないのだが……。