FXBR/S ブレイクアウトの詳細写真
ソフテイルファミリー全機種でLED化されたヘッドライト。ブレイクアウトでは四角い光源を3つ縦列配置した小判型としている。電動バイク「LIVE WIRE」で見た近未来的なフロントマスクだ。
LEDヘッドライトはロービーム時、中央の3つの発光体だけが光るが、ハイビーム時は9つある光源がすべて点灯。圧倒的な光量で、被視認性に優れるのは言うまでもない。
フロント21インチのキャストホイール仕様は先代から受け継いだが、スポークにカッティング加工が施されたカスタムホイールにグレードアップ。タイヤ幅は10mm広がり、前輪サイズを130/60B21としている。ブレーキはシングルディスク仕様だ。
フロントブレーキは大径300mmディスクと、32mmと34mmのピストンで構成される4ピストンキャリパーの組み合わせ。制動力、タッチに不満はない。
ハンドルクランプに埋め込まれた小型デジタルメーターでは、スピードをメインにバーグラフ式の燃料計、ギア段数を表示。速度の下にはハンドル左のスイッチにて切り換えて、オド、トリップA/B、エンジン回転数、時計、航続可能距離のいずれかを表示することができる。
フレームネック左側にはUSB端子が備わり、ハンドルマウントするスマートフォンなどの充電を可能としている。端子はカバーされ、雨水の浸入を防いでいる。
前後サスペンションを一新したソフテイルファミリー。フロントはインナーチューブ径49mmのSHOWA製デュアルベンディングバルブフォーク。130mmのストローク量を持つ。
モノショック化されたリアサスペンションはプリロードアジャスターが備わり、車種によって調整方法が異なる。ブレイクアウト、ファットボブ、ファットボーイは手動ダイヤル式、デラックスとヘリテイジクラシックはソケッレンチ、ソフテイルスリムとストリートボブ、ローライダーはフックレンチを用いる。
ブレイクアウトでは、従来オイルタンクのあった位置に配備されたダイヤル式アジャスターでプリロードを5段階調整可能。スプリングの初期荷重を、工具不要で容易に変更できる。
リジッドマウントされるミルウォーキーエイトエンジンはFXBRの排気量1,745ccの107ciをスタンダードに、ボア×ストロークを100×111.1mm→102×114.3mmとしたFXBRSの1,846cc=114ciも選べる。
セパレート型のシートはダブルテクスチャーとし、高いホールド感と快適な座り心地を実現。HARLEY-DAVIDSONのプレートも備わり、高級感漂うものとしている。
マフラーはサイレンサーカバーのみをブラックとし、クロームとの美しいコントラストを見せる。ライセンスプレートは試乗した北米仕様ではサイドマウント(車体左側)だが、日本導入モデルではフェンダーエンドにマウントされる。
こんな方にオススメ
ブレイクアウトは相変わらず直線番長
アクセルワイドオープンで加速を楽しもう!
旋回性を高めたといえども、ブレイクアウトが直線番長であることは変わっていない。長い車体と太いタイヤの組み合わせは直進安定性に長け、ストレートでスロットルをワイドオープンするのが面白い。
リジッドマウントされるミルウォーキーエイトは、鼓動感がライダーにダイレクトに伝わり心地良い。全速度域で低回転化が図られ、余裕を持ってクルージングが楽しめるのはツーリングファミリーでも感じたが、ソフテイルではVツインならではのドコドコ感がよりはっきりしている。ラバーマウント方式のツーリングファミリーとリジッドマウントのソフテイルで、ミルウォーキーエイトのエンジンフィールが微妙に異なっていて、それぞれのキャラクターを明確にしているのは感心するところだ。
そのエンジンだが、FXBRの排気量107キュービックインチ=1,745ccをスタンダードに、ブレイクアウトでは114キュービックインチ=1,868cc仕様のFXBRSも選べる。ロングストローク設計を守るために、ボアだけでなくストロークも同時に延ばしている114仕様は、ハーレーのビッグツインならではの大らかなパワーフィールはそのままに、よりトルクフルで加速も鋭い。“フルガス”でダッシュを楽しむブレイクアウトなら、114仕様がベストマッチのような気がする。