試乗はアメリカ・カリフォルニアにて。「少し大きくなったかな?」それが実車を見ての第一印象だった。エンジンはボリューム感があるし、シートより後方もダイナ時代の方がスリムに見える。容量13.2リットルの丸みを帯びた燃料タンクや、ヘッドライトをLED化したフロントエンドに違和感は感じないが、全体を見ると近代的になっていて、「ソフテイルのストリートボブとは?」と最初は少し戸惑うのだった。
シート高は680mmでダイナ時代と同じ高さ。ソフテイル全モデルに言えることだが、余裕を持って両足を地面に着くことができ安心感は大きい。
エンジンの始動もキーレスイグニッションとなって先進的。メーターはハンドルクランプに埋め込まれた新型で、コンパクトながら速度や燃料計を見やすく表示してくれる。なにより、ハンドルまわりをスッキリさせているのが好ましい。
クラッチをミートさせて走り出すと、低回転からあり余るトルクで車体を前方に押し出す。回転を上げることなく早めにシフトアップしていくと、振動ではなく大きな鼓動感が味わえ、それを存分に楽しみながら走る。
乗る前に感じた車体が大きくなったような感覚はもはやなくなり、ライディング中はむしろコンパクトに感じる。マスが集中され、前後サスがゆとりを持ってストロークし、身のこなしが軽い。
秀逸なのは、細身のタイヤとフロント19インチが生み出す軽快なハンドリング。余計な入力は無用で、コーナーの入口では素直に車体が寝ていく。右に左へバンクセンサーを路面に擦りつけながら、ワインディングをスピーディに駆け抜けることができた。