重厚なスタイルながら走りは侮れない。「リラックスしてドッシリ乗れる」というデラックスの持ち味を失うことなく、走りの性能を飛躍的に上げている。軽くなったとはいえ身軽なはずのない車体を、従来のソフテイルよりずっと簡単にコントロールすることができてしまうのは、新設計フレームと前後サスペンションの刷新によるところが大きい。
まずメインフレームは、リジッドマウントによるエンジンも剛性メンバーに加え、強度を65%も向上。5ヶ所あった溶接部は4箇所に、57点あったパーツは23個に減らし、剛性アップと軽量化の両立を果たしている。
また、ハードブレーキでは柔らか過ぎてすぐにフルボトム状態になっていたフロントフォークは、ツーリングファミリーと同じSHOWA製デュアルベンディングバルブフォーク(インナーチューブ径49mm)となり、しなやかに動くがしっかりと踏ん張りの効くものとなった。リアサスペンションはモノショック化され、ストロークも充分。ハイスピードで段差に乗り上げても衝撃をしっかり受け止めてくれるようになり、バネ下重量の大幅減とマスの集中化に貢献し、ライディングを軽快にした立役者と言っていいだろう。
ミルウォーキーエイト107は低中速トルクが潤沢で、加速力が上がっている。リジッドマウントによってハーレーのVツインエンジンらしい鼓動感がダイレクトに味わえ、不快な微振動はギア駆動によるデュアルバランサーによって打ち消されている。