実車を目の当たりにして感じるのは、スタイリングが洗練されていること。まず、メーターを覆い隠す部分に黒のインサートが入り、ブラックアウトされた車体との色調を上手く合わせたスピードスクリーンが見るからにアグレッシブ。このビキニカウルは3色設定されるボディカラーと同じペイントが施され、フロントマスクを精悍なものにしている。
そしてハンドルは幅広なドラッグスタイルバーで、若干の前傾姿勢とともに両ヒジが自然と広がるワイルドなライディングポジションをもたらす。上目遣いで行く手の先へ視線を送るような走りへのパッションが自然と湧いてくるようなフィーリングで、ステップも若干ながら後方内側へマウント位置が見直され、バンク角がより深くなっているのも嬉しい。
これはワインディングで実感した。連続するタイトコーナーでステップ裏のバンクセンサーを路面に擦りつけつつ、ヘルメットの中で思わず頬が緩んだ。前後17インチとラジアルタイヤの組み合わせは、フロントから旋回していく現代的なハンドリング。シートの着座したお尻をイン側にずらせば、ステップワークと荷重配分が無意識なうちにバッチリと決まり、コーナーをキレイに駆け抜けることができる。