VIRGIN HARLEY |  クールかつ贅沢な仕上がりとされた、ハーレー屈指の大陸横断型クルーザー、ロードグライドリミテッドの試乗インプレッション試乗インプレ

クールかつ贅沢な仕上がりとされた、ハーレー屈指の大陸横断型クルーザー、ロードグライドリミテッドの試乗インプレッション

  • 掲載日/ 2019年11月11日【試乗インプレ】
  • 取材協力/HARLEY-DAVIDSON 取材・写真・文/小松 男
クールかつ贅沢な仕上がりをとされた、ハーレー屈指の大陸横断型クルーザー、ロードグライドリミテッドの試乗インプレッションの試乗インプレッションの画像
HARLEY-DAVIDSON FLTRK(2020)
総じてラグジュアリーなツーリングファミリーにあって、その中でも際立った、高級感を見せつける新しいフラッグシップモデル「ロードグライドリミテッド」が2020年モデルで誕生。

超豪華装備とハイパフォーマンスエンジンを得て、
ロードグライド史上最強のパッケージングとされた

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フレームにマウントされた大きなフェアリングやデュアルヘッドライトの採用など、1980年に登場したFLTツアーグライドからの流れをくむ、ロードグライドシリーズが登場したのは1998年のこと。初代モデルのエボリューションからツインカム88、ツインカム96に、さらには新設計フレームと、他のツーリングファミリー同様の進化をしながら現在に至るわけだが、2020年モデルでは新たにロードグライドリミテッドが追加された。

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ミルウォーキーエイト114(1868cc)エンジンが搭載されたほか、Reflex™ ディフェンシブライダーシステムや、BOOM!™BOX GTSインフォテイメントシステムの採用、ラゲッジラック付きのプレミアムツアーパックの装備など、ウルトラリミテッドと双璧を成すフラッグシップモデルとされた。

FLTRK ロードグライドリミテッドの特徴

伝統的なスタイリングでありながらも、
斬新さが散りばめられた絶妙なスタイリング

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先だって開催されたEICMA(ミラノショー)にて、ビッグアドベンチャーモデルであるPANAMERICAや、ミドルクラスのストリートファイターモデルBRONXなどを発表したハーレーダビッドソンだが、それらの車両は同社が長年培ってきた真髄たるものから少々ズレていると思わせる。100年以上の歴史を持つハーレーダビッドソンにおいては、やはり大陸という広大な土地を相手に、延々と走り続けさせてくれるようなツーリングモデルこそ真骨頂なのだと言いたくなる。2020年モデルとして新登場したロードグライドリミテッドは、まさしくその部分にポイントを絞った極上のツーリングモデルだ。

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フレームマウントされたボリューミーで印象的なシャークノーズフェアリング、そこからテールにかけてなだらかにスラントされたボディライン。ロードグライド特有のスタイリングは見る者の目を奪うほどセクシーだ。そしてそのデザインは、ロングツーリングを楽しむにおいて利に適った姿なのである。

FLTRK ロードグライドリミテッドの試乗インプレッション

2020年モデルというタイミングにおいて、
ロードグライドリミテッドが登場したわけ

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全長2595mmを誇る超ド級モンスターマシンであるロードグライドリミテッドは、まずその体躯を目の前にしただけでも、只者ではないオーラを感じさせるものだ。ウルトラリミテッドと同様に、リアセクションにラゲッジラック付きのプレミアムツアーパックを装備しているため、ますます迫力が強まっており、こう言っては何だが、女子供を寄せ付けない空気感が伝わってくる。423kgもの車重に初めて向かい合った際には、まずスタンドを払うだけでも、一つの儀式とも言えるほど気を使うことだろうが、それもロードグライドリミテッドの魅力だと思って欲しい。ゆったりとした座面を持つシートに腰を下ろすと、目の前にはラグジュアリーなコックピットが広がる。この視界、この景色も気分をよくさせてくれる演出となっている。

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現行モデルの多くに採用されているミルウォーキーエイト114(1868cc)エンジンを搭載しており、定評のある豊かな低速トルクは、右手のスロットルを軽く開くだけで、ライダーを合わせて500kg近くもある車体をいともたやすく前へと押し出してゆく。フロントフォーク、そしてリアサスペンションのまとまりも秀逸であり、コーナー手前で軽くフロントブレーキを当ててあげると、スッとフロントが沈み込み、キャスターアングルを立てて、ニュートラルな感触で曲がってゆく。この走りは優雅そのものだ。

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車体の大きさは、ひとしきり走らせれば誰でも慣れてくると思う。そうなれば市街地であっても振り回して走ることができるし、高速やワインディングでは、むしろそのサイズを活かした贅沢ともいうべき走りを、存分に楽しむことができるだろう。トラクションコントロールシステムの一種であるReflex™ ディフェンシブライダーシステムが装備されているので、雨天をはじめとした路面状況の悪い場面でも安心して走らせることができる。逆に人間の足の方にトラクションコントロール的機能が備わっていないことの方が気になるかもしれない。オーディオの音質も良いし、バッグ類やユーティリティスペースは、さすがと言える程に使い勝手が良い。地平線の果てまで走っていきたい気持ちに誘われる。

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ここ最近、ハーレーダビッドソンのニューモデルの試乗テストを行っていて、思っていたことがあった。それは最新のミルウォーキーエイト114エンジンの出来の良さ、それと同時に全体的にスポーティーな味付けに振られてしまっていることだった。乗り物として進化を考えた際、それも一つの方向性であるし、高いポテンシャルを持つ現行モデルは、どれも最高にエキサイティングだ。

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ただロードグライドリミテッドは、同じ方向性ではなかった。あくまでゆったりとツーリングを楽しむために基本をまとめ、さらにその気になれば驚くべき運動性能も発揮するという奥の手を隠し持っているというキャラクターだ。先述したように、今後様々なセグメントをマーケットに投入してくるハーレーダビッドソンにおいて、ロードグライドリミテッドというモデルは、昔から変わらぬ世界観を全面に押し出したひとつのアンサーなのかもしれない。

FLTRK ロードグライドリミテッドの詳細写真

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スタンダードハーレーダビッドソン史上最大排気量である1868ccを誇る、ミルウォーキーエイト114エンジンを搭載。低回転域から豊かなトルクを発揮し、超重量級のロードグライドリミテッドをいともたやすく前方へと押し出す。

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動きの良いフロントフォークとABS機能を持つブレンボ製ブレーキを組み合わせており、安定したライディングを楽しむことができる。なおタイヤサイズは前後ともに、18インチとされている。

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FLTツアーグライドから続く、フレームマウント方式のシャークノーズフェアリング。空気力学に基づき設計されたトリプルスプリットストリームベントが用いられており、快適なライディングをもたらしてくれる。

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広い配光と、強い光力を誇るデュアルデイマーカーLEDヘッドランプを採用。1灯ずつそれぞれの中央部に、バー&シールドマークがあしらわれている。

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クッションを備えたフットレストボードが備わっており、ロングツーリングも快適にこなすことができる。ツーリング派はチェンジレバーをシーソーペダルに換装しても良いかもしれない。

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ウルトラリミテッドと同じく、ツインクールドエンジンとされており、ロワーフェアリング内にラジエーターを装備している。エンジンガードバーも内蔵されデザイン面でもまとまっている。

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フェアリングの内側も、しっかりとペイントされており、高級感があるコックピット。大きくプルバックされたハンドルバーは長時間のツーリングでも疲れにくいライディングポジションとなる。バーエンドにはグリップヒータースイッチが備わる。

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BOOM!™BOX GTSインフォテイメントシステムを搭載。タッチパネル式のインターフェースを持ち、さらにスマートフォンと連動することで様々な機能を拡張することができる。

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シート高は735mmと抑え気味の数値ではあるが、車重があるために、取り回しには気を使う。ただ、ひとたび走り出せばこの上なく快適なシートはさすが。パートナーとタンデムライドも楽しみたい。

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両サイドのツアーバッグのほかに、ラゲッジラック付きのプレミアムツアーパックを装備。何日にも渡り旅をするようなロングツーリングの荷物でも、収納することができる。使い勝手が良くこの上なく便利。

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車体の左右に備わったサイレンサーからは、ハーレーのVツインエンジン特有の心地よいサウンドを楽しむことができる。スクリーミンイーグルのマフラーもカスタムオプションに用意されている。

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燃料タンクの容量は22.7Lとされている。車重のせいもあるかもしれないが、市街地のような繰り返しストップ&ゴーを行うステージでは、やや燃費は悪い。逆にゆったりとしたクルージングでは高燃費だ。

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左側スイッチボックスには、左ウインカースイッチ、ライトハイ/ロー切り替え、ホーン、トラクションコントロール、クルーズコントロール、音楽機能ボタンなどが備わるほか、裏側にメーターファンクションなどの機能スイッチが収まる。

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