ハーレーダビッドソンのツーリングモデルにおいて、誰もがまず思い浮かべるのは王道のバットウイングフェアリング(通称ヤッコカウル)を装備したFLH系のウルトラであろう。「キング・オブ・モーターサイクル」と称されるウルトラは、言わばハーレーダビッドソンの顔である。大陸横断モデルであるウルトラを「ストリートで映えるチョップドツアラー」というツーリングファミリーのセオリーから一歩外れたとも言える新たなコンセプトでカスタムされたストリートグライドは、もはや異端児でもなんでもない。誰もが認めるツーリングファミリーの中核をなすモデルとして高い支持を得ている。
ストリートグライドの上位モデルにあたるストリートグライドスペシャルには、ハーレーダビッドソンのファクトリーカスタムにおいて継続的に推し進められているダークカスタムというコンセプトが色濃く反映されている。ブラックアウトされた前後ホイールにフロントフォーク&ヘッドライトハウジング、ハンドルやマフラー、一部プッシュロッドカバーなどにクロームが使われているが、エンジン&プライマリーカバーもブラックに統一。さらにボディーカラーもダーク系カラーがメインに採用されている。
エンジンは排気量1868ccのミルウォーキーエイト114を搭載。このエンジンはCVOにのみ搭載が許されたハーレーダビッドソン最大となる排気量1923ccのミルウォーキーエイト117に次ぐ大排気量エンジンである。足周りに目をやるとストリートグライドのF19/R16インチのエンフォーサー・キャストアルミホイールからストリートグライドスペシャルはF19/R18インチのタロン・キャストアルミホイールに変更されている。前後ローダウンされたスタイリングにショートタイプのウインドシールド、フェアリングマウントミラー、ロープロファイルシート、ストレッチされたサドルバッグにより、ストリートに溶け込むスタイリッシュなフォルムに仕上げられている。ツーリングモデルに新風を巻き起こしたストリートグライドスペシャル。その功績は計り知れない。