リジッドフレームを思わせるシルエットを持つことで、登場以来圧倒的な人気を誇るのがソフテイルファミリーのモデルである。現行モデルではエンジンの排気量アップとそれに伴うバランサー装着など、ハイパワー&重装備によって車格も大きくなっているのだが、ご覧のEVOソフテイルだとフレームは細くてコンパクト。だからこそ、ヴィンテージルックが非常に良く似合う。
このマシンを製作したのは、広島県に拠点を置くファクトリー R54。ハーレーだけでなく、SRやXS650、ロイヤルエンフィールドに国産アメリカンモデルなど、幅広い車種を取り扱うカスタムショップである。
そんな同店がこのEVOソフテイルに与えたテーマが、「パンヘッド風カスタム」。巨大なサドルシートにリアキャリア、FLH タイプのフロントフェンダーにリアはリジッドフェンダー、そしてフューエルタンクはやや小振りな3.5ガロンのものを装備することで、その雰囲気を完璧にしている。オールド感あふれる外装ペイントは、K.B.Iが担当。このカラーはリジッドのパンヘッド(いわゆるハイドラグライド)には存在せず、サス付フレームとなったデュオグライドに採用されたもの。しかし、ここはあえて「完全なレプリカ」にするのではなく、同店やオーナーが「カッコいいと思うものにこだわった」という。そう、カスタムとはもともと自由な発想で行われるもの。レプリカといえども、やはり基本にあるべきは「オーナーの個性や好み」なのだ。
クラシックモデルには外せないキックペダルを備えているのも注目すべき点で、これによって既製の2in1マフラーが装備できなくなったため、じつはマフラーをワンオフ製作。細かな箇所にも決して抜かりはない。
EVOソフテイルだからこそ作れるこの雰囲気。まさに脱帽、である。