「見て欲しいのはディテイルよりも全体のスタイリング。現行モデルでもきちんと手を入れてやれば、これだけコンパクトにできるんだと言うところに注目して欲しい」
そう語るのは、本車両のカスタムを手がけた HIDE MOTORCYCLE ビルダーの富樫 秀哉。2004年にラバーマウント化した現行スポーツスターは、それまでのモデルと比較するとボディが大きくなったのは事実で、一部のショップでは2003年以前のモデルしか手がけないところがあるほど。それぐらい現行モデルをコンパクトにまとめるのは難しい。
カスタム内容は至ってシンプルで、同ショップが設定するスポーツスターのカスタムプランの中でも比較的抑えられたもの。それでこれほどコンパクトに見えるのは、ヘッドライトからリアエンドにかけて描かれるアールを美しくデザインしているから。ヘッドライトをローマウントし、ワンオフ製作した低いフューエルタンクとシングルシート、そしてショート化されたリアフェンダーと、ここをまとめるだけでも変化は顕著。それも、「シンプルながら美しくまとめる」イメージを描けるビルダーの能力があってこそ生み出せるのである。
今のところ外装カスタムについてはほぼ満足しているオーナーだが、もっとも気になっているのはインジェクションチューニングだと言う。とはいえ、まだまだ着手の余地があるのも事実。このスタイリングを足がけに、さらなるオリジナリティの追及を期待したい。