ここでは、排気量1499ccのツインカム88Bから現在までのソフテイルFXシリーズの変遷についてご紹介しましょう。エンジンが2007年モデルで排気量1584ccの「ツインカム96B」に変わり、その採用に際してそれまでの5速ミッションから6速ミッションに変更。2016年には排気量1689ccのツインカム103Bが搭載されるようになりました。また、それまではキャブレターモデルが中心だったラインナップが、インジェクションモデルへとすべて変更されています(FXSTDのみ2006年モデルからインジェクション化)。2008年モデルからの変化では見た目には大きな変化はありませんが、フレームとスイングアームが強化されて、ブレーキも仕様変更となりました。
ツインカム88Bから現在に至るまで、タイヤサイズはかなり変遷がありました。FXシリーズのモデルは年式を問わずフロントは21インチ(ロッカー系モデル のみ19インチ)のタイヤが採用されていますが、リアタイヤに関しては年式・車種によって5種類のタイヤが採用されています。具体的な年式を記載しますと…
とリアタイヤは2003年以降ワイド化が進んでいます。
ソフテイルFXシリーズは”メーカーカスタム”と呼ばれるノーマルの状態でカスタムモデルのような洗練されたスタイルを実現しているモデルです。そのため、新しいスタイルのモデルがソフテイルFXシリーズで登場することも多く、FXSTDやエボリューションエンジン時代に人気だったFXSTCなど、個性的なモデルが投入されてきました。また、2008年1月にも人目を引くニューモデルが発表されています。FXCWとFXCWCのロッカーシリーズです。これまでにないほどカスタム色が強いモデルで、多くのユーザーの支持を集めました。さらに2011年にはFXS ブラックラインが、2014年にはFXSB ブレイクアウトがデビューしました。同じソフテイルフレームを搭載するソフテイルFLシリーズが伝統的なカラーを背負っているのとは違い、常に斬新なハーレー像を我々に見せてくれるのがソフテイルFXシリーズなのです。
FXシリーズの車両に興味をお持ちの方は、ビックツインだと「ダイナファミリー」と悩む方が多いようです。どちらのモデルを選ぶのか、じっくりと悩んでいただいて後悔しない選択をしていただきたいですね。そういう際に私どもがアドバイスさせていただくのは、「リアサスペンションが見えていない『リジッド風』のスタイルが好み」な方はFXシリーズ、「サスペンションが見えるスタイルが好み」な方はダイナ、両方の車両を見ていただいてご相談に乗らせていただいています。
ポジションから選ばれるのもいいかもしれません。足を投げ出すフォワードコントロールが特徴的で、ゆったりとした大陸的な走りが気持ちいいFXシリーズ、ミッドコントロールが採用されスポーツ走行寄りの「ダイナ」ファミリー。どちらが皆さんの求める走りに近いのか、店頭で見比べ、実際に跨り、ご自分に合う一台を選んでいただき、永くハーレーを楽しんでいただければと願っています。