近年になって、FLTR ロードグライドの人気は右肩上がりだ。独特の外観だが、意外にもその歴史は古い。最初期はショベル時代にルーツがあるが、当時はあまりに頭が大きい不格好な FL と捉えられてしまい、日本での販売はほとんどないに等しかった。やはり FL はヤッコカウルという定番が君臨してきたのは事実だ。
しかし、数年前からロードグライドの人気はとても高まった。それはつまり、超大型のアッパーカウルを装備しても、力強い動力性能と素直なハンドリングを実現できるようになったことが大きい。つまりとても乗りやすくなったのだ。
ここに紹介するカスタムは、ハーレーダビッドソン テラカドの店長、小松真紀さんの愛車である。なんと、華奢な女性がオーナーなのだ。ディーラーの店長とはいえ、女性がこの大きなロードグライドに乗る姿は圧巻である。しかし、そのカスタムメニューは、乗りやすさと快適さを追求するものになっていた。ノーマルのロードグライドと比べると、FLTRX ロードグライドカスタムは少しローダウンされている。その点は女性に優しいからバックギアを取り付け、足付き性の良いシートを選べば、あとは何も問題ない。さすがに押し引きは重いが、走り出せば軽快なハーレーだからこそ、カスタムを楽しみながら乗り続けることができる。小松さんは、お店を訪問するすべての女性を勇気づける存在なのだ。
女性らしさを感じるのはコックピット周辺のモディファイだろうか。各メーターにはダイヤモンドアイス・ゲージトリムリングが装着されていて、煌びやかな印象をライダーに与えるカスタムが施されていた。