近年になって、新たなる人気車種として定着してきたロードグライド。大きなフロントカウルに埋め込まれたデュアルヘッドライトがその特徴だが、実はこのスタイルはショベルヘッドの時代から存在するアメリカ本国では人気の高いもうひとつのツアラーとして認知されていたモデルなのだ。日本人は、ハーレーに対して、以前はクラシカルなシルエットを求め過ぎていたため、ツーリングモデルはヤッコカウルを筆頭に、トラディショナルなスクリーン付きのモデルばかりが売れていたのである。
ロードグライドをベースにしたバガースタイルの震源地はもちろんアメリカ。今もっとも新しいスタイルとして日本にも上陸し、さまざまなカスタムが展開されているが、そのほとんどがハデなカラーリングを施したメキシカンスタイルか、すべてをブラックアウトするようなハードな仕様となっているものが多い。ここに紹介する H-D シテイ中野店でモデイファイしたバガースタイルカスタムは、モノトーンで塗り分けられたボディに、繊細なピンストライプを描いたデザインがどこか和風テイストを漂わせる仕上がりになっている。
ガソリンタンクやシートも変更して、前後に流れるようなデザインに仕上がったボディは、とても落ち着いたムードで昭和のたたずまいも残す独特の存在感を放っていた。オーナーの高橋さんは、久しぶりにバイク乗りとして復帰する相棒に、このバガーカスタムを選んだのである。