ハーレーダビッドソンの純正ペイントの上質さは、おそらくオートバイの市販車としてダントツのクオリティを持っている。いや、逆にいまの時代、ペイントにここまで力を入れているメーカーはいないのではないだろうか? パフォーマンスアップばかりに目が行き、カラーリングは着色樹脂等でコストダウンを計るオートバイメーカーが多い中、ハーレーは純正パーツカタログにカスタムペイント専用ページを設け、色、パターンと好みに応じて選びオーダーをかけることができる。加えて、電話帳のような厚さの H-D 純正パーツカタログ……。立場上、社外のカスタムパーツをあまり多用できないディーラーでも、見映えのするカスタムモデルを作れる理由は、メーカー自身がカスタムに積極的だからに他ならない。
東京・昭島にあるハーレーダビッドソン昭和の森が製作したロードキングは、ディープオレンジとゴールドを折り重ね、そこにフレアを加えた品のあるペイントを纏い、落ち着きあるクルーザーにスペシャル感を加えた1台だ。スタンダードの重厚な雰囲気から軽快なイメージに変わったのは、スペシャルペイントに加えホイールの影響も大きい。スポークが細かにあるクラシカルなデザインのスタンダードから、クローム眩しいアナーキーホイールに交換したことで、足周りがかなり軽く見えるようになった。また ブーム オーディオスピーカーキットをウインドシールド内側にマウントすることで、グライド系のように音楽を楽しめるようになっている。
もともとツーリングモデルの中では軽量なロードキングがホイールを換えただけに、走りも楽しめそうな仕上がりだ。