バイクを売ることはもちろん、お客に対し購入後の遊びの提案までこなす、ハーレーディーラーの従業員。自らが楽しむことで周囲を巻き込み、その積み重ねがやがて店独自のコミュニティを生むことにつながるのだが、自分が率先して楽しんでしまう人の中には、そんな細かな計算より「バイクが好きだから」という、自然な動機で活動している人もいる。
東京の北区にあるハーレーダビッドソンヨーヨーのオーナーである楊さんは、オリジナルモディファイを施した XR1200 でサーキットを楽しみ、お客とのツーリングでも自ら先頭をきって積極的にバイクで遊ぶ名物社長。バイクを売るだけではなく、ハーレー独特の世界観もオーナーがすぐに共有できるよう配慮する気配りの人なのだが、その大前提として、自分が楽しむことも忘れない。
このロードキングクラシックは楊さんの愛車兼ショップデモ車で、純正カスタムパーツを中心にショップオリジナルパーツを要所に使い、ひと味違うまとめ方をしている。特徴的なのは 16 インチのエイプバーで、これは純正パーツのキットを利用。イルミネーションを組み込んだフットボードと相俟って、見て乗って楽しめるポジションに仕上げた。また走り好きなだけあって、リアショックにはオリジナル仕様のナイトロンを装備。スタンダードに対し2センチローダウンしてクールなスタイルを追いつつ、動きの良いリアサスになるよう考えている。
ユニークなのはダイノジェット社のパワービジョンを装着していること。いわゆるサブコンなのだが、マフラーがスタンダードでも ECM 内のマップを入れ替えることで、出力特性に変化を加えた。チューニング好きも楽しめる1台である。