新しいモデルを次々と乗り継ぐ、もしくは1台を乗り続けカスタムに入れ込む。タイプはまったく異なるように聞こえるが、実は本質的な部分でかなり似通っているのではないだろうか。先の行動の動機を考えてみれば、ともに「人と同じではつまらない」という部分に根ざしているように思えるからである。
ハーレーダビッドソン東村山が製作したこの FLHX を乗り回すオーナーも、カスタムにのめり込んだ動機は先と同様。とにかく目立つ仕様を考え、相談しながら作り込んでいった。そう、このモデルのベースは HX であって TR ではない。FLTR 仕様となったのは愛車を破損させてしまったことがキッカケだが、以前から同車への乗り換えを検討しており、先のトラブルにより乗り換えから修復&カスタムに舵を切り替えたのである。
そのカスタム・アプローチは独特だ。外装を中心としたドレスアップもさることながら、インパネ周りの構成がすごい。すべてのメーターをブルーの液晶が妖しく輝くダコタ製デジタルに交換し、その中央にクルマ用のインダッシュタイプ・ナビを埋め込んでいるのである。振動の多いハーレーだけに誰にでも簡単にできる方法ではないが、ゴージャスな仕上がりにマッチした装備ではある。車体側ではフロントに 21 インチのレブテック製クロームホイールを履きリアはバガースタイルでまとめるが、クロームパーツ&ホワイトペイントの効果で、ワルっぽさよりはラグジュアリーな雰囲気が上回る。
FLHX でありながら FLTR のスタイルを手に入れ、さらにハイテク装備をおごったこのカスタムは、オーナーの「他と同じを潔しとせず」という気持ちを表したモデルでもある。これでもまだ計画半ばとのことで、今後の展開がたのしみだ。