2014FXDBファットボブをベースに埼玉県のBootlegが手掛けたこのマシン。FXDXTのカウルにアンダーカウル、そして緑をポイントにしたいというオーダーを受けて製作された一台は、統一感とバランス感に富んだ美しい一台に仕上がっている。見所の多いこのマシンの細部を見てみよう。
カウルにゴールドで記されたZIPANGUの文字。ご存知の方も多いと思うけれど、走ることを信条とする日本を代表するモーターサイクル・シンジケートである。故に、随所に走りを意識したパーツが奢られる。ホイールやフットコントロール、シートなどの要所には、日本のカスタムシーンではあまり目にすることのないRSD=Roland Sands Design製をチョイス。前後ブレーキキャリパーはPMのラジアルタイプ、ディスクローターはLyndall Racing製をセットアップ。フロントサスはKrausの倒立、リアショックはオーナーの希望であるグリーンのスプリングがポイントとなるレーステック製オーダー品と、足周りの随所にパフォーマンスパーツを武装する。エンジンはストックながらバッサーニの2in1でライトチューンとされる。
そして締めは、車坂下モトサイクルによるブラックをベースにキャンディフレークのフレイムスが描かれたペイントワーク。各部のピンストも効果的だ。
オーナーの希望とビルダーのカスタムパーツへの深い造形が見事に合致した一台は、威風堂々とし、今すぐにでも走りだしたくなってしまうような雰囲気に包まれている。
バイクは見た目も大事だけれど、走ってなんぼ。それらをさらに引き出すことがカスタムの楽しさであり、ビルダーの腕の見せ所でもある。このマシンは、それを具現化した代表例と言っていいだろう。