パンヘッドのレプリカリジッドフレームとスプリンガーフォークを骨格に、フロント21インチ、リア16インチのホイールをセットアップ。ロボットハンドルや小振りなワンオフフューエルタンク、軽快なリアフェンダーなどが組み合わされたこのマシンは、言わばスタンダードなチョッパーである。しかし、そんなチョッパー定番パーツがチョイスされたマシンのシルエットをじっくり見ていると、ビルダーのこだわりやセンスを感じずにはいられない。
ホットロッドショーやJOINTSなどカスタムショーではもはやおなじみのYossy’sが製作したショベルヘッド。「コンパクトなチョッパー」をコンセプトに掲げる通り、そのシルエットはギュッとまとまり美しい。ユニティのヘッドライトは個性的ながらその存在感が際立つ。そして、2インチライザーによる若干高めのロボットハンドルから、エンジン真上に配されたフューエルタンク、適度な厚みを持つワンオフのシングルシートを経て、フィニッシュはリブのエッジが絶妙に効いたフラットフェンダー。
この絶妙なるラインは、同じような定番パーツを組み合わせただけでは成しえないビルダーのセンスによる賜物。フューエルタンクのペイントもそれを引き締めている。エンジンはストックながら、キャブにチョッパーでは珍しいFCRをセットアップしている点も、ビルダーの遊び心とチョッパーへの造詣を見てとれる。
スタンダードなシルエット故その個性を打ち出すことはビルダーの手腕に寄るところが大きい。噛めば噛むほど……するめと言ったら失礼だが、このマシンはカスタムやチョッパーの奥深さを感じる一台ではないだろうか。