1970年代のカスタムシーンに登場するチョッパースタイルが印象的なXL1200V セブンティーツー。21インチのフロントホイール&ホワイトリボンタイヤという組み合わせにエイプバー、フォワードコントロール、ピーナッツタンク、チョップドリアフェンダーと、あらゆる部位が絶妙なスタイルを生み出すことに貢献している、非常に完成度の高いモデルである。新潟の正規ディーラー ハーレーダビッドソンアルファは、この個性的な一台をよりチョッパーライクにするのではなく、あえて攻撃的なドラッグレーサー風にしてみようと試みた。それがこの銀色のセブンティーツーだ。
最大の特徴は、コンパクトにまとめられたコックピットまわりだろう。本モデルの特徴でもあるエイプバーをあっさり取り外し、ドラッグバーに換装。メーターはトランプ製サイドマウントブラケットでエンジン左側に移設し、これによってライダーから見たハンドルまわりの印象は大きく変わった。フォワードコントロールとの組み合わせにより、かなり体をかがめるようなライディングフォームとなることだろうが、ドラッガー×チョッパーというコラボレーションはなかなかに面白い。
基本的にハードキャンディーカスタムのデザインをベースとしたシンプルなカスタムにとどめているが、ビンテージルックなヘッドライトレンズにS&S製エアクリーナーカバー、パンチアウトパーツの多用など、本来のスタイルを際立たせるプロならではのカスタムはさすが。
現在オーナー募集中というこの一台、意外な方向性を提案しつつも最低限のカスタムにとどめたのは「未来のオーナーに、ここから自分色に染めていって欲しいから」とのこと。ニューモデルとして登場しても不思議ではないまとまり方を見せるドラッグレーサー風セブンティーツー。どんな風に進化するのか楽しみな逸材だ。