黄金色に輝くフロントフォークを目にしただけで、徹底的にパフォーマンスアップをはかったカスタム スポーツスターであることは容易に察しがつくところだろう。そう、このXL883Rは、「ドラッグレースのために」というオーナーの強い要望から生み出された競技用車両で、22nd Annual YOKOHAMA HOTROD CUSTOM SHOW 2013にてハーレーダビッドソン シティ川越が展示車両として持ち込んだ一台だ。
キモとなるのは、エンジンの圧倒的なパワーアップと駆動部位のパフォーマンスアップ、そして軽量化だ。まずエンジンだが、ハーレーダビッドソンのエンジンの潜在能力を最大限に引き出す専属のショップ HAMMER PERFORMANCE に送り、883ccから1250ccまでボアアップ、さらにヘッドカバー内部にも加工を施し、およそスポーツスターとは思えない驚異的なパワーを得た。オーリンズ製サスペンションをベースに独自の手を加え、絶妙なバランスとなるセッティングまで昇華させるパフォーマンスショップ 45 Degrees （埼玉・川口）によるパッケージキットが前後に配され、ワンオフパーツ製作に定評がある FULL GAIN （東京・板橋）のカーボン製カウルシートなどが車体重量を大幅にダウン。ノーマルのそれとは比べものにならないモンスターマシンへと変貌を遂げた。
「オーナーさん、納車してすぐ2013年9月に仙台で開催されたドラッグゲームに参加されたんですが、なかなか感触が良かったとのことです。僕が考えうる限りの手を施した一台なわけですが、実際にすごいバイクに仕上がったな、って僕自身も驚いています」
と笑うのは、今回のメニューをすべてコーディネートしたH-Dシティ川越の主任メカニック 秀島 憲一さん。公道車両となると制限が多くなってしまうところだが、今回は競技車両ということでアメリカ帰りの敏腕メカニックが持てる力を最大限に発揮。その経歴は伊達ではないとうならされるばかりの怪物というほかない。
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