今年、ダイノジェット社製シャシーダイナモを導入し、ますますハーレーのカスタム&チューニングへの期待が高まるモーターガレージグッズ。しかし、もとはSRなどの国産車カスタムを得意としているだけあり、キャブレターモデルのハーレーも得意とするところである。
ここに紹介するのは1998年式 スポーツスター XLH883をベースにした一台で、ご覧のとおりのロングフォークスタイル。しかし、あえてフレームをストックのままとすることで、前上がりのフォルムを形成している。ロングフォークチョッパーといえばフレームを加工したり、「レイクツリー」と呼ばれる専用の三つ又を投入するのが定石だが、このマシンではフレームはおろか三つ又すらも純正のまま。しかし6インチロングのフロントフォークにローダウンリアサスペンションの組み合わせが、いにしえのガレージチョッパーをほうふつさせる、荒々しくも絶妙なシルエットを生み出しているのだ。
そして外装パーツに目を移すと、ストックよりも小振りなスポーツスタータンクが印象的。これは角度によって微妙な色合いを発するグラデーションを採用しているためで、フレイムスのデザインはオーナー自ら持ち込んだものである。さらに文字もステッカーではなく、ペイントで仕上げることによって高級感をアップ。シルエットはガレージチョッパー風ながらも、こうして細かなディテールを追求することで、バイク全体のクオリティは明らかに素人が作るソレとは別物である。また、エンジンを1200ccにボアアップすることで必要十分なパフォーマンスを獲得。純正CVキャブを装着し、日常的な使用にもなんら支障はない。
ロングフォークやグラデーションペイントを採用した“派手なルックス”と純正フレームやエンジン仕様などの“手堅い実用性”……。相反する2つをバランスよくまとめた、まさにプロならではの一台だと言えよう。