アパレルをメインに車両販売も手掛ける鎌倉・七里ヶ浜のBLUE GROOVEが今年2月の移転を機にカスタムを本格的に始動させた。1953FLと1966シボレーエルカミーノを所有する生粋のモーターフリークである代表の矢代貴充は「BEACH SIDE LOCO STYLE」という明確なコンセプトを掲げ、カスタムを展開してゆく。
これはキャブレターモデルの高年式スポーツスターに1950~1970年代のビンティッジテイストを落とし込んだスタイルで、今回の2001年式 XLH883にもそのコンセプトが踏襲される。
大幅なモディファイこそないが、各ディテイルには矢代ならではのこだわりが見て取れる。エアクリーナーカバーはV8ホットロッド用パーツを流用し、KRタイプのマフラーはメッキを施さずあえてマットな質感のまま装着。そしてXRバーをナロード加工したハンドルのレバーには70アーリータイプを選択。さらに、ストックをショートカットしたリアフェンダーエンドに付けた40ビンティッジチップやホイールキャップなど、往年のパーツを要所に使ったフォルムが見ものだ。こうした現代のマシンとビンティッジパーツを見事調和させたシルエットは、ビルダー矢代が黎明期からのチョッパーヒストリーやカスタムカルチャーを深く司会しているが故に成し得たものであろう。
「キーワードは“レトロフィット”。何十年もハーレーに乗り続けるベテランライダーが見ても納得するスタイルを目指している。後は全体のバランス。バランスの取れたバイクはインテリアや洋服と同じで、そばにあっても違和感なく自然と空気に溶け込んでいくものだからね」
10代から自らの手を汚し吸収してきたモーターカルチャーのノウハウ。それをピンポイントでカスタムに注入するBLUE GROOVEはこの夏スタッフを増員し、過去と現代をレトロフィットさせた「BEACH SIDE LOCO STYLE」を精力的に推し進めていく。