UPPER C&S代表の石川大より、メカの山内陽介が練習台として譲り受けた89スポーツ。全体のバランスは石川が見るものの実作業はすべて山内が行った。
セパハンありきで始めたカスタム。既成の形状では面白みに欠けることから、アールを描いた造形に仕上げトップブリッジ下でマウント。そしてヘッドライトはボディ厚に納得が行かず約半分の長さにリメイク。また苦労の跡が見て取れるサイドナンバーステーなど、現在山内が持ち得る技量を注入した渾身のマシンだ。
レーサーのフォルムが好き。その趣向から走りに関しても抜かりない。ピストンは軽量な高回転型ワイセコ鍛造ピストンをチョイス。そして高速域を伸ばすべくスプロケットは1次の丁数を上げ、2次を下げたセッティングが成される。
日々の業務を終えた時間からコツコツと制作を進め完成した89スポーツ。彼の言葉の端々に現れていた情熱と労力の集大成がこの一台である。