ソフテイルには大きく分けてクラシカルイメージのFL系とチョッパーライクなFX系が存在する。どちらかというとベーシックでモデルライフの長いFL系に比べると、FX系はデザインに自由度が高く、これまでにも様々なモデルがラインナップされてきた。その最初のモデルがソフテイルカスタムで、現在はブレイクアウトということができるだろう。
後輪に240サイズのラジアルタイヤを装着するブレイクアウトは2013年に登場して現在も人気のあるモデルである。ノーマルでもとてもカスタム感の高いモデルだが、ハーレーダビッドソンレインボーは、外装を少し変更させることで、今やラインナップには存在しなくなったソフテイルカスタムを、さらにスープアップモディファイさせたようなモデルとして製作してしまった。
タンクの上にメーターダッシュを装備し、スピードメーターを移設。往年のソフカスに似たシルエットが完成した。
当時のソフカスオーナーは、ベーシックなタイヤサイズをアップさせるのに、多大なコストをかけていた。しかしそんなシルエットに憧れるライダーは数多く、ソフカスをモディファイする方法の一つとして定着していたものである。つまり、ここに紹介するブレイクアウトのカスタムは、完全に逆転の発想ということでもあるだろう。ハードはそのまま手を付けず、リアフェンダーやハンドルバー、そしてガソリンタンクのシルエットを変更することで、当時多くのハーレー乗りが憧れた、モディファイドソフテイルカスタムとなっているのである。