漆黒のボディを持つナイトトレイン改は、とにかく各部を黒くまとめることに腐心し、クロームパーツでさえ塗り潰してしまうほどに徹底している。ナイトトレインに惚れ込んだオーナーがハーレーダビッドソン東村山に依頼したのは、横浜に似合う悪いバイク。彩りも艶もないマットブラックというカラーリングだが、ここまで徹底すると逆にかなり目立つ。
ポイントとなるのはフロント周りで、GCB の EVO 用倒立フォークを使い、フォークスパンを縮めるためにリムを削るという徹底ぶり。このフォークを選んだのも「黒いから」だと言う。倒立フォークのハイスペックデザインは、21 インチの PM ホイールと KEN’S FACTORY のブラックライザーとのマッチングもあり、ナイトトレインの雰囲気をかなりシャープに変貌させている。プライマリーには、PM カンツァーブランドのベルトドライブを装備し、エンジン左サイドのルックスもかなりインパクトが出た。だが、ナイトトレインらしさを表すボブテールにスクエアなテールランプの組み合わせは、変更することなくブラックペイントを施した上でそのまま残している。そのこだわりはサイドスタンドまで及び、もともと黒いはずなのに艶があるからと、マットブラックに塗り直すほど。
また動力性能についても大きく変貌を遂げており、スクリーミンのステージ II キットを組み込み排気量を 103ci にスープアップ。インジェクションは純正のレースチューナーにて調整済みで、クリアキンのハイパーチャージャーとの組み合わせで、全回転域に渡ってパワフルなエンジンに生まれ変わっている。
夜の横浜で闇夜に溶けつつ走り去る漆黒のナイトトレインは、誰の目にもさぞかし妖しく映ることだろう。