独特な高級感を漂わせる
ヴィンテージ家具のような FLSTF
ベースモデルは、なんとファットボーイである。その面影を残すのはわずかにフロントフォークのみという印象のフルカスタムだが、意外にもフレームやサスペンションなど骨格は大きなモディファイを加えられてはいない。
ファットボーイといえば、デビューの 1990年以来、ほとんどスタイルの変更を受けないまま生産されている人気モデルで、そのシルエットは名前が表すようにどっしりとしたものである。しかしツアラー系の FL に比べるとシンプルで扱いやすそうな構成が人気の秘訣であろう。これはそのシンプルさを生かしたカスタムとして製作された1台なのだ。
オーナーは、まずノーマルの状態で半年ほどライディングを楽しみながらショップに通い、メカニックやペインターなどとディスカッションを重ねた。イメージを共有しながらモディファイの構想を練るのはとても重要なこと。その上でパーツのチョイスやペイントの仕上がりを決めていくという方法で、妥協の無いシルエットを完成させたのである。
ローランドサンズデザインの外装キットにオールペイントを施したのは、山梨にスタジオを構えるノマドコンセプト。ペインターの遠藤氏は、2種類のラップペイントと、複雑だが重厚感のあるラインとの構成で、まるでヴィンテージ家具の装飾のような高級感溢れるオールペイントを施した。
本来シルバーであるエンジンやフロントフォークなどは、すべてブラックのパウダーコートを施し、抜群の耐久性と艶を確保。PM 製のホイールとのマッチングも抜群で、現代的なボバーとして、強烈な印象を残す1台が完成した。
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ファットボーイの特徴でもあるワイドバーをセミアップタイプに変更した理由は、都会での乗りやすさを追求したため。
スイッチボックスやグリップは PM 製でシンプルに。
ブレーキローター&キャリパーも PM 製。ホイールとのデザインバランスが完璧だ。
ファットボーイを主張するフロントフォークはブラックパウダーコート。
ホイールは 18 インチの PM 製。シングルローターでデザインをアピールする。
ガソリンタンクは RSD のヴィンテージにノマドコンセプトがカスタムペントを施した。Nirvana とは、サンスクリット語の涅槃 (ねはん) という意味で、悟りを表す。
本来シルバーのエンジンは、ブラックパウダーコート仕上げ。エキパイも耐熱ブラックで塗装されている。
シートベースは RSD 製で表皮はワンオフ製作されたもの。
シンプルなメーターはモトガジェット製。デジタル表示で近代的な装備である。
エアクリーナーボックスは、近年大人気の RSD 製で、PM のホイールとマッチング抜群のデザインだ。
フットボードやペダルも PM 製。ペグに変更しないところが FLSTF ベースである証しなのかもしれない。
細かいパーツをブラックで統一しているところが粋だ。
車体全体は低いシルエットだが、リアサスはノーマル。ホイールは 17 インチ×6インチでファットタイヤを装着する。リアスプロケットもまたホイールデザインとマッチングを考えたデザイン。わずかに残るポリッシュの輝きが高級なコントラストを演出している。
リアブレーキローターとキャリパーも PM 製。マフラーは、TC96B ソフテイル用のブラックをチョイスする。メッキ部分はほとんど存在しないのだ。
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