ハーレーのカスタムには様々な方向性があって、そのどれもが個性的である。どんなライダーでもストックで乗るより、少しでも他のハーレーとの差別化を図るためにカスタムしていくわけだが、オーナー三橋さんのような、スタイルそのものは完全ストックのまま細部にいたるまでのペイントカスタムを施す例は、まれなのではないだろうか。
ベース車両は FLSTC ヘリテイジ・ソフテイル・クラシック。古いハーレーのスタイリングイメージを現代でも踏襲している人気車種で、その乗りやすさが定評あるモデルであり、古くからのハーレーマニアには大きな支持を得ている。三橋さんは少年期からハーレーに憧れ、乗りたい車両はこのヘリテイジクラシックか、ツーリングモデルのウルトラにしか興味がなかったという。
地元のお祭りでは率先して神輿を担ぐという日本男児である三橋さんは、身につけるものすべてに、職人のこだわりを感じるアイテムをというポリシーがあって、このハーレーもオートショップテラカドを通し、SHAKIN’ SPEED GRAPHIX (シェイキン スピード グラフィックス) にて、徹底的に和柄のペイントを発注したのだ。
ガソリンタンクに描かれているのは風神と雷神。フロントフェンダーからリヤに渡るのは、夜空を舞い踊る龍である。SHAKIN’ と言えばピンストライプというイメージが強いが、SHAKIN’ 代表の清水さんは、あらゆる技法を駆使して見事なペイントを車体全体に施した。
三橋さんは、このハーレーを是非アメリカのハーレーフリークに見てほしいと考えている。日本人ならではのカスタムとして、評価されることは間違いない。