ヘルメットにグローブ、レザージャケットなど、バイカーにとって切り離せないアイテムは数多く、そのなかでも欠かすことができないのが、ジーンズだ。愛着を持って育て、メンテナンスを施し、経年変化を楽しむのはカスタムマシンを愛でることと同じ。多くのバイカーがお気に入りのジーンズを持っているのも頷ける。
カスタムファクトリーBBが製作したのは、そんなバイカーたちに圧倒的な支持を得るジーンズブランド「IRON HEART」をイメージコンセプトにした一台。リジッドフレームに排気量1,340cc ショベルヘッドを搭載したコンパクトなチョッパーで、シックスシューターによるペイントは美しいジーンズを思わせるブルーを基調に、フレームやフロントフォークにまでおよばせることでそのイメージを確固たるものにしている。また、外装パーツはなるべくコンパクトに作っているとのことで、フューエルタンクやシート、リアフェンダーなどはすべて同店によるワンオフだ。
とくに見どころとなるのが、シート下にマウントされたオイルタンク。バレルタイプはよく見るものではあるが、このマシンに搭載されているのは球体。なんとも愛嬌のあるフォルムとなっており、さらに『弐拾壱』の文字が書かれる。これは「IRON HEART」のジーンズが21オンスであることに由来するもの。見る人が見れば、思わずニヤリとしてしまうディテールだ。ペイントはリアフェンダー内側にまでおよび、マシンの完成度をさらにワンランクアップさせているのも見逃せないポイント。シルエットこそシンプルながら、車体を細かく見ていけばいくほど、その凝った意匠に感嘆させられる。
シルエットはチョッパーらしさあふれる黄金律としつつ、秀逸なディテールによってさらなるクオリティを与える……カスタムファクトリーBBのセンスが遺憾なく発揮された、じつに刺激的な一台だ。