チョッパーと共に20年の歳月を歩んできたDECONT COSTOMS。かつてはアパレルショップとしてLAから最新のチョッパー系ウェアを輸入し販売。その後カスタムショップにシフトし10年になる関西有数のチョッパーファクトリーだ。
このマシンはジェシー・ジェームスに代表されるチョッパームーブメントが興盛を極める数年前、ビルダー加来竹志がCALIFORNIA PERFORMANCE IRONにフルオーダーしたものに手が加えられたものだ。ブームの黎明期とはいえ、当時海外にフルカスタムを依頼するのは価格や納期を考えれば異例のこと。しかしその決め手は「フレーム」であった。
ソフテイルフレームながらもネック角35゜のステムヘッドからリアアクスルまでのラインをストレートとするため、ダウンチューブは1-3/4インチストレッチされている。ノーマルでは成し得ない完璧な造形に衝撃を受けたと言う。正に理想のフレームであり、これ以上ないほどのバランスを形成していた。その骨格の旨味を生かして、かつてのマシンはリファインされる。
ストックのEVOモーターはEキャブとアンドリュースのEV27カムでライトチューン。この手のチョッパーを長年手掛けてきた加来が得意とするセットアップだ。サツマサイクル製スーパーナローを装着したフロントエンドは、法廷速度+αでもブレのない確かな剛性を確保している。またフォーク幅に合わせ製作したTバー、タンクからリアフェンダーへ流れるラインに一役買うワンオフのガンファイターシート。さらにミッドコントロールを加えた3点が織り成すライディングポジションも申し分ないものだ。そしてこの「スタイル」と「走り」の両立は、ビルダー加来がもっともウエイトを置くポイントでもある。
20年に長きに渡りチョッパーと対峙し続けてきたDECONT CUSTOMS。屋号の横に掲げた「Choppers Only」の文字が同ショップの明確なスタンスだ。