眩い光を放つクロームメッキフレームにピーナッツタンクをハイマウント。リブフェンダーに装着されたコブラシートにツイステッドシッシーバー、鋭角的にカチ上げられたフィッシュテイルマフラーが特徴的なオールドチョッパーである。パワーユニットはケースがポリッシュされたパンヘッド。時代考証を鑑みれば、やはりこのスタイルにはパンモーターがベストであろう。
製作は HAMANS。1960年代のフリスコチョッパーを敬愛するビルダー松本ならではのアプローチにより、チョッパーの王道とも言うべきバランスに仕上げられている。H-D純正33.4ФフォークにF21/R16インチのセッティング。ハイマウントタンクとの調和を考え、マウントライザーバーを介してドッグボーンを装着し、インチサイズのヂドラッグバーが取り付けられている。グリップ部のみ TOMMASELLI スロットルを装着するためミリサイズに変更。非常に手の凝ったハンドル周りである。マウストラップを装備したハンドクラッチに、プライマリーはあえてストック。前出のフィッシュテイルマフラーにもこだわりが隠されている。SUPERIOR 製エキパイに FLAKES オリジナルのトランペットマフラーを取り付け。エンド部はワンオフとすることにより色香の漂うフィッシュテイルマフラーを製作。ヘッドライトにはボトムマウントの5.3/4ベイツを装着している。
ソリッドなブラックベースに華を添えるグラデーションペイントは、FLAKES が担当。オールドデザインのこのカスタムペイントにより、メッキフレームのインパクトがほど良く押さえ込まれ、作り手が意図したコンセプト通りのチョッパーに仕上げられている。このバランス感覚が HAMANS 最大の武器なのだ。
細かなパーツチョイスひとつ取ってみても妥協のない上質なチョッパー。まったく隙のないこの仕上がりこそが HAMANS の神髄であり、松本真二というチョッパービルダーの美学である。